半導体用語集

無線 LAN

英語表記:wireless Local Area Network

 既存有線LANにおける端末接続ケーブル区間の無線化を狙ったものが無線LANである。オフィスのレイアウト変更あるいは売り場の模様変えなどに対して配線工事費の削減あるいは迅速な業務環境の立ち上げが可能となる。国内における無線LAN規格としては、1993年に「小電力データ通信システムの無線局の無線設備」として、ARIB((社)電波産業会)の前進であるRCR((財)電波システム開発センター)の規定がある。これによると周波数帯域は2.4GHz帯の26MHzが割り当てられ、変調方式は、DS(Direct Sequence)あるいはFH(Frequency Hopping)方式のスペクトル拡散技術が拡散率10以上として用いられる。また送信電力は10mW/MHz以下とし、免許は不要である。市販の製品としては、主に伝送速度が1Mbpsから2Mbpsのものが多い。なお、2.4GHz帯以外の無線LANとしては、19GHz帯あるいは赤外線を利用した10Mbps程度の高速化を図った製品もみられる。さらにミリ波を使用した伝送速度100Mbpsの無線LANの報告もある。
 通信形態は、端末同士が直接通信する1:1タイプ、センター装置を介して通信を行う1:nタイプがあり、19GHz帯および赤外線を利用した無線LANの場合、電波の直進性の関係で後者のタイプを採るものが多い。
 国際的な無線LANの標準化機関としてはIEEE802.11委員会が存在する。ここでは、DS、FHの他に赤外線を利用した無線LANも規定している。伝送速度は、2Mbps程度であるが、近年新たに11Mbpsという高速無線LANの検討が進められている。
 一方欧州では、5.2GHz帯を利用したHIPERLAN(Higher Perfor­mance Radio LAN)の標準化が進められている。伝送速度は23Mbpsと1.5Mbpsの二つのタイプがある。
 現在有線LANの伝送速度の高速化が著しい中で、無線LANの伝送速度が遅いという難点があり思ったほどの普及がみられない。しかし今後、携帯端末の普及および伝送速度の向上が図れれば、大きな市場が形成される可能性もある。

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