半導体用語集

衛星通信システムー固定型/可搬型

英語表記:satellite communication system -hold type/movable type

 衛星回線を使って企業や家庭に直接インターネットや画像伝送のような高速データ通信を実現するいくつかのプロジェクトが進められている。高速データを伝送するため移動体への接続は、高出力送信機やアンテナなど受信系の負担が大きく困難なことから、固定または可搬型の地球局で構成される。LEOシステムが用いられる他、静止軌道を利用したGEO(Geosyn-chronous Earth Orbit)システムも用いられる、この場合電波の伝搬遅延に起因するインターネットでのTCP/IP制御のスループットの制約がある。以下は現在準備中または計画中のシステムである。
 SkyBridgeは高度1,457kmの軌道を周回する64機の衛星からなるLEOシステムで、データ通信ネットワークを実現する。2001年後半から一部の衛星を使いサービスが始まる。衛星と衛星を結ぶ交換回線はなく、地上にある既存のネットワークを利用し、衛星回線を高速・広帯域なアクセス回線として使う、WLL(Wireless Local Loop)の衛星版である。既存地上ネットワークを使うことで経済的なデータ通信サービスを企業や家庭ユーザーを対象に行う。周波数は上り/下りともKu帯(14/12GHz)であり、固定や可搬型の地上端末局は直径80cm程度の可動型アンテナを持ち衛星を追尾する。伝送速度は16k~2Mbps(上り)、16k~60Mbps(下り)である。
 Teledesic/Celestriはもともとは別々のプロジェクトであったが、1998年に両システムが統合された。高度1,375kmに288個の衛星を配置し広帯域データ伝送を目的としたLEOシステムで、Ka帯(28/19GHz)で全世界を網羅する。このシステムは、ATM(非同期転送モード)に似た固定長パケットを使い衛星間のネットワークを構成する。最大2Mbpsの伝送レートでマルチメディアサービスを行うことになっている。地球局は固定または可搬型で2001年にサービス開始予定である。
 さらに8個の衛星によるGEOシステムとしてSpacewayがありKa帯(20/30GHz)を使い地球全域をカバーする、1999年にサービス開始予定である。また衛星20機を使うMEOシステムも計画されている。これらのシステムはいずれも衛星間を光通信で接続する。
 Astrolinkは9機の静止衛星を使い最大8.5Mbpsの広帯域データ伝送を全地球規模で行うシステムで2000年サービス開始予定である。
 インターネットユーザーの増加を中心にマルチメディアデータ通信の需要が増大し、この他にも多くの衛星システムサービスの計画がある。

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