半導体用語集
衛星通信システムー携帯型
英語表記:satellite communication system-handheld type
低軌道または中軌道を周回する複数の衛星を使い、ほぼ地球全域をカバーする通信システムが構成できる。これらをLEO(Low Earth Orbit)システムやMEO(Medium Earth Orbit)システムと呼ぶ。静止軌道に比べ電波の伝搬損失が小さいため、地上の通信端末を携帯型にまで小型化できる。また、電波伝搬による遅延が少ないため音声通話では自然な会話ができる。
以下は最近運用が開始されたシステムおよび計画されているシステムである。
Iridium(イリジウム)は高度780kmの低軌道に計66機の衛星が周回するLEOシステムで、上り下り回線とも1.6GHz帯を使って電話、ページャと2.4kbpsのデータ通信ができる。時分割多重接続(TDMA: Time Domain Multiple Access)を使い、わが国では1998年11月からサービスが始まっている。端末は携帯型で専用端末の他、地上のセルラー電話とのデュアルモード端末もある。衛星と衛星の間では23GHz帯を使って通信接続を行っている。
Globalstar(グローバルスター)は高度1,414kmの軌道で48機の衛星を使うLEOシステムで、南北緯度70度までの地球全域を対象としている。周波数1.6/2.5GHzで符号分割多重接続(CDMA: Code Division Multiple Access)を用いて音声、FAX、ページングや9.6kbpsまでのデータ通信ができ、1999年にサービス開始予定である。本システムは、地上のゲートウェーを介して地上ネットワークと接続される。
ICO(アイコ)は10,355kmの中高度に12機の衛星を利用して163スポットのビームにより全世界をカバーし、グローバルな衛星携帯電話サービスを行うMEOシステムである。S帯(2/2.2GHz)の周波数帯を使い、TDMAで音声、FAX、ページング、2.4kbpsのデータ通信を行う。衛星回線容量で4500回線/衛星を持つ。地上端末は携帯型で送信出力平均0.25W、最大3Wである。2000年にサービス開始予定である。
Ellipsoは高度7,846/520 kmの楕円軌道にある8機の衛星により陸域の多い北半球を効率良くカバーし、低緯度地域をカバーするための高度8,040kmの円軌道にある6機の衛星の組み合わせで運用される。周波数1.6/2.5GHz帯を使いCDMAにより音声を中心とした伝送を行う。2001年にサービス開始予定である。
関連製品
「衛星通信システムー携帯型」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「衛星通信システムー携帯型」に関連する用語が存在しません。
「衛星通信システムー携帯型」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。




