半導体用語集

選択鏡面エッチング

英語表記:selective nurror surface etching

Siウェットエッチング速度は、 Si基板の不純物濃度や導電型および電界印加によっても大きく異なる。まず電界エッチングでは、5%フッ酸中で白金メッシュを陰極とし、陽極のSi基板を対向させ、電圧を印加する。Si基板の電位は飽和KCIカロメル電極を基準にする。n型Siの陽極溶解機構は、Siに正電位を印加すると表面に正に荷電した空乏層が生じ、同時に高濃度の負イオンがSi表面附近に集まる。したがって、この電圧はこの空乏層に印加し、Si表面に正孔が供給され、HFによりSiフッ化物が生成し、これが溶解する。エッチングが進行するためには過剰な正孔濃度が必要であり、電子(ドナー)濃度が約1017 cmー3以上の時、空乏層が薄くなり、空乏層内での衝突イオン化やツエナ破壊が起こり、正孔が供給されてエッチングが起こる。このエッチング表面ではH2SiF6による茶色の膜が生じる。
一方、p型Siでは、5×1015cmー3の正孔(アクセプタ)濃度からエッチングが起こるが、表面荒れがひどい。次に、KOH液中でpn接合のp型層だけ異方性エッチングする方法を述 べる。n型はp型より拡散電位だけ正なため、Si表面が陽極酸化される電位はp型の方が大きい。したがって、n型層に電極を接続し、n型層のみ陽極酸化される電位を与えると酸化膜が生成され、n型層でエッチングを停止することができる。これとは逆に、n型層だけエッチングすることもできる。パルス状の正の電圧をSiに印加した時、p型側は正孔電流により厚い酸化膜が形成されるが、n型表面には薄い酸化膜しかできない。この薄い酸化膜はKOH液で工ッチングされるため、n型層のみ選択的に異方性エッチングができる。無電解エッチングでは、HF:HN03 = 1: 3の混液に減速剤の酢酸を添加し、Siのエッチング速度は低下していき、特に酢酸濃度比が8の時、0.3Ω・cm以下の抵抗率では、50nm/分のエッチング速度となり、ほとんどエッチングが停止する。この結果は、不純物の種類や導電型に大きな差に認められない。 一方、KOH-水ーイソプロパノールアルコール系でも、{100}面と{111}面との工ッチング速度は、As、P、Sbを添加したn型では{100}》{111}であるが、Bを添加したp型では、{100}面のエッチング速度が7 ×1019/cmー3で激減し、{111}面のそれと同じになり、この不純物濃度でKOH系ではあるが等方性形状になる。


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