半導体用語集

量子細線レーザ

英語表記:Quantum Wire Laser

 活性層媒質に量子細線構造を用いた半導体レーザ。1982年にArakawaらによって提案された。現在、半導体レーザの活性層には、高利得化を図るため、電子(ホール)を膜厚方向に閉じ込め、量子化する量子井戸活性層が広く用いられている。量子細線レーザでは、電子(ホール)は、膜厚方向だけでなく、さらにもう一つの方向に閉じ込められ量子化される。これにより、状態密度が尖鋭化され、キャリアの特定エネルギー準位(発光波長)への選択的注入が効率よく行われ、利得スペクトルが非常に狭くなり、レーザ特性(しきい値電流特性、変調特性、スペクトル特性、温度特性、雑音特性)のさらなる向上が期待される。
 実際の量子細線レーザ作製の試みは、1987年頃から活発になされている。たとえば、(1)電子ビーム露光とエッチングを組み合わせる方法、(2)オフ基板上への分数超格子成長法、 (3)V溝上へのMOVPE成長法などが試みられているが、現在に至るまで、理論的に予測されているような高性能な量子細線レーザは実現されておらず、作製技術のさらなる進歩が待たれる。

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