半導体用語集
集積回路の発明とその進歩
英語表記:invention and development of IC
集積回路の発明で、半導体産業は大きな飛躍を遂げる。半導体の集積回路は、酸化膜によって、塵やガスなどの汚染物から内部を保護するプレーナ構造のホーニーのアイデアをさらに大胆に発展させて、モノリシックに、複数のトランジスタや抵抗器を載せ、相互に接続して一体化しようというノイスのアイデアによって、初めて実現化したといえよう。1959年には、当時フェアチャイルドのノイスとムーアは、具体的なトランジスタや抵抗器の形成方法を考案していた。一方、これに先立ち、1952年に英国のデュマーは、電子部品の信頼性向上の見地から、機能は増えるが部品点数や接続点数が少ない機能デバイス、すなわち集積回路の概念を発表、すでに、このアイデアに基づき、RCAやIBMでは、ハイブリッドICなどの種々の機能性電子部品が開発されていた。また、1958年には、TIのキルビーにより、半導体基盤の上に、抵抗などの受動素子と、トランジスタなどの能動素子を、モノリシックに作り込む集積回路の開発が行われていた(キルビー特許)。集積回路の着想と発明という意味では、キルビーの貢献は大きいが、ノイスらの具体的な発明がなければ、モノリシックICの誕生も、どんどん、集積度を上げていきながら、高機能化、高信頼化、低消費電力化、大量生産による低価格化を実現して、発展していく半導体産業の今日はなかったといえよう。1962年には、カニングがMOS ICを開発した。それまでは、バイポーラトランジスタ、およびバイポーラICが主流であったが、より構造が簡単で工程数が少ないため、集積度がさらに進むと、その地位が逆転した。また、すでに、1968年には、1トランジスタ型MOS DRAMのアイデアが出された。1960年代のこうしたデバイス構造の着想、開発を経て、1970年代に入ると、一気に、今日、巨大市場となった様々なICが誕生した。1970年に、インテルは、1kDRAMを開発、ベル研によってCCDが開発されている。この頃までは、コンピュータのメインメモリは磁気メモリが使われていたが、このDRAMの発明で、磁気メモリを置き換えて行く。DRAMは1976年には早くも64 kが、1982年には1Mが開発、「メガ」の時代に突入する。1971年には、4ビットマイクロプロセッサが開発されている。さらに1975年には8ビットMPUが、 1981年には、16ビットMPUが開発された。このように、チップの微細化が進むに伴い、DRAMに代表されるように、3年で4倍の集積化が進み、 ICからLSI、VLSIへと、発展、その市場も、トランジスタ時代のテレビ、ラジオはもとより、大型コンピュータ、PC、電卓、通信、家電とあらゆる電子機器に普及していった。なかでも、PCや携帯電話、電卓、ゲームなどは、真空管やトランジスタ時代には存在しえず、IC化されて初めて登場したものである。
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