半導体用語集
電子波干渉素子
英語表記:electron wave interference device
微視的な系では、電子の量子力学的な波動性が電気伝導度などに影響を及ぼす。電子の波動性を強調する時、電子はしばしば電子波と呼ばれ、この電子波の干渉や回折を用いて電流を変調させる素子が考案、作製されている。これが電子波干渉素子である。
電子波の可干渉性を利用するためには、素子の特徴的なサイズLが、電子波の可干渉距離Lφに対して、L<Lφとなっている必要がある。可干渉性が失われる要因としては、電子-格子相互作用、電子-電子相互作用などがある。低温にするほどこれらの相互作用が小さくなるため、Lφは大きくなり電子波の干渉もえられやすくなる。
代表的な電子波干渉素子としては、マッハツェンダ型素子、スタブ導波路型素子などがある。前者は光学におけるマッハツェンダ干渉計に対応するもので、二つの経路の電子波の位相差を操作することにより、電子波の透過率を変調させる。磁場を加えることでもアハラノフ-ボーム効果により、電子波の位相差が変化するという特徴を持つ。スタブ導波路型素子は、マイクロ波導波路にスタブをつけた構造に対応しており、スタブの長さを変えることで電子波の透過率、反射率を変化させる。電子波干渉はメゾスコピック系の代表的な物理現象であり、物性物理の分野でも基礎的な研究が行われている。
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