半導体用語集
電荷注入トランジスタ
英語表記:charge injection transistor
電子の実空間遷移を利用した半導体ヘテロ接合トランジスタ。1983年、ベル研のA. Kastalskyらによって提案された。素子構造は、HEMTのチャネルの基板側にポテンシャルバリア層と第二の伝導層を設けた構造。動作原理は真空管に酷似しており、HEMTチャネル内の電子が、電界による加速を受け、ホットになることでバリアを超えて第二の伝導層に流れる。したがって、HEMTチャネルは真空管のカソード、ポテンシャルバリア高さはカソードの仕事関数に相当し、第二の伝導層はアノードの役割を果たす。チャネル内の電子は電界によって高速でホットになることから、高速・高周波動作が期待できる。実際に試作された素子も優れたマイクロ波特性を示している。またHEMTのソース・ドレインの二端子の入力信号には極性がなく、XOR機能を持たせることができ、さらに三入力構造にすることでNORやNANDゲートも容易に作れるなどのメリットがある。この他、光放出機能との組み合わせや、微分負性抵抗による発振回路、非線形性によるミキサ応用などが提案されている。主に化合物半導体ヘテロ接合を用いた研究が行われてきたが、近年Si/SiGeヘテロ接合技術の発展によって、 Si系での試作も行われている。実用化には至っていない。
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