半導体用語集
高周波マッチングシステム
英語表記:high frequency matching system
マッチングネットワークとマッチングコントローラとペアーで構成されている。マッチングネットワークはマッチングBoxあるいは、マッチャーと呼ばれている、以下マッチャーと呼ぶ。
(1)マッチャーの基本的な役割:ジエネレータの負荷となるプラズマ抵抗Rpをジェネレータの内部抵抗Rsの値に変換しマッチングを取る。接続される同軸ケーブルの特性インピーダンスZoは、ケーブルの両端に純抵抗50Ωが接続された場合にZo = 50Ωを示す。したがって、ケーブルの負荷側終端を純抵抗50Ωで短絡すればケーブルの存在を無視することが可能になる。
ゆえに、マッチャーの入口からプラズマを見た時の入力インピーダンスZiを純抵抗50Ωにすれば、ジェネレータを直接マッチャーに接続した状態を想定することが可能になる。マッチャー入力の並列に接続されたマッチング用のバリアブルコンデンサCm(以下バリコンと呼ぶ)と回路に直列接続された固定コイルLとで、以下の原理に従い同軸ケーブルとのマッチングを取る。すなわち、
Zo = √L/Cm = 50Ω
の関係から、マッチャーの入力インピーダンスZiとなり、プラズマ抵抗Rpに電力をロスなく加えることが可能になる。これらの条件を満たすためにコイルLと直列に接続されたチューニング用パリコンCtは、マッチングバリコンCmの変動や負荷のシース容量Cpの変動に応じて、常に合成容量値Cが一定の値に保たれるように調整する。マッチングを自動的に行うために必要なコントロール信号は、マッチャーの伝送回路の特性インピーダンスに影響を与えないようにディスクリミネータ( CーM結合型双方向結合器、または、コイル1ターンの誘導結合型 SWRプリッジなど)を接続し、進行波と反射波の電圧と電流を検出し、出力される交流電圧、電流を直流電圧に変換してコントロール信号、および進行波電力(FWD)と反射波電力 (REV)の表示信号をえてコントローラに送る。さらにマッチャーは入力インヒーダンスZiとマッチングバリコンCmの現在位置の値を信号としてコントローラに送る。また、プラズマの変動で発生する反射波電圧もディスクリミネータで検出し信号としてコントローラに送り込む。
(2)マッチングコントローラ:以下、コントローラと呼ぶ。マッチャーをオートマッチングモードに切り換えてマッチングを高速でスムーズに行うことが可能になっている。
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