半導体用語集

ATM-LAN

英語表記:Asynchronous Transfer Mode-Local Area Network

 ATM-LANは、ATM交換方式(「ATM交換方式」の項参照)で実現された高速・大容量のネットワーク技術をLANに応用したものである。ATM交換方式は全世界にカバーするマルチメディア通信を実現する次世代公衆網として構築が進められているものであり、ATM-LANでは、マルチメディア通信に適したLANを構築するとともに、ATM公衆網と同じ交換方式を使うことにより、LAN/WANの区別なく、統一した方式でデータ通信を実現できることを特徴としている。
 ATM-LANを構築する基本的な構成物件は、ATM-NIC(Network Interface Card)とATMスイッチである。
 ATM-NICはATM通信を実現する通信アダプタボードで、PC(Personal Computer)/WS(Work Station)にインストールして用いる。ATM-NICにおいてPC/WSから与えられたパケットデータをATMセルに分解して送信し、また受信したATMセルを組み立てパケットデータを再構築する。ネットワークヘの接続にはUTP(Un-shielded Twisted Pair)や光ファイバを用いてATMスイッチに接続し、容易に155.52Mbpsの通信インタフェース速度をえることができる。PC/WS上のソフトウェアとして、Ethernetなどのブロードキャスト型のLANを模擬するためのLAN Emulation、IPパケットをATMネットワークにマッピングするためのIP over ATM、ATMコネクションを管理するSignallingなどのソフトウェアも実装する必要がある。
 ATMスイッチは、複数の端末の間でのATMセル交換を行う装置である。ATMスイッチはQoS(Quality of Service、サービス品質)とスイッチング容量などにより多種多様な装置があり、数10台の端末を接続し、スイッチングできるものが実用化されている。より大規模なLANを構築する場合は、バックボーンネットワークとしてより高速なATMスイッチを設置し、低速ATMスイッチの間に622Mbpsや2.4Gbpsの高速なATM回線を敷設することで拡張することができる。
 ATM-LANでは、各端末に対しQoS制御された通信路が提供されているため、通信遅延や通信容量の制御が容易である。このため、リアルタイム性の高い通信、PC/WS間の音声通信・映像通信などが中心となるテレビ会議や、VOD(Video On Demand)などに適したLANシステムが構築できる。

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