半導体用語集

AlN基板(窒化アルミニウム基板)

英語表記:aluminum nitride substrate

 熱伝導性に優れた窒化アルミニウム(AlN)を使用した配線基板。
 高熱放散を求めてより高い熱伝導率の材料を開発していった経緯の中で,酸化ベリリウム(BeO)が一部で使用されていたこともあったが,毒性が強く広く市場に出回ることはなかった。その後,この酸化ベリリウムと同等の熱伝導率を有し,毒性がないAlNが開発された。AlN基板は特に熱伝導に優れ,100~180W/m·K程度の熱伝導率を有しており,中には200W/m·Kを越えるものまである。AlNの熱伝導率は,アルミナ基板の5~8倍程度以上の高熱伝導率であり,搭載できるLSIの消費電力もアルミナ基板の約2~3倍程度まで対応できる。また,応力の問題は,AlNはシリコンとほぼ同じ線膨張係数を持っているため,AlN基板とシリコンの間での応カの問題はほぼ無視できる。
 AlN基板を用途別に分けると大きく二つのタイプに分けられる。一つは,透光性の性質を兼ね備えているもので高純度のAlN粉末(粒径:1µm)の酸素含有量をなるべく低く抑え1,750℃以上の高温で焼結することにより作られる。このタイプは通信用LEDなどに用いられている。もう一つは,一般的なAlNと呼ばれているものでAlN粉末(粒径:0.3~0.7µm)に酸素との結合を防ぐためのイットリア(Y₂O₃)を3%程度添加したものである。基本的に酸素濃度が下がれば下がるほど,熱伝導率が上がる傾向にある。このタイプは通常のパワーデバイスに用いられている。
 AlN基板の欠点は,コズトが高いことで,用途についても熱的にアルミナ基板では対応が難しい高消費電力の製品に限られる。


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