半導体用語集

FT-IR (フーリエ変換赤外分光法)

英語表記:Fourie Transform Infrared spectroscopy

分子は、固有の振動エネルギー準位 を有し、あるエネルギー準位からより高いエネルギー準位に振動励起する時、分子はそのエネルギー差に相当する振動数の光を吸収する。この振動数は赤外線の持つ振動数であるため、この赤外吸収のスペクトルを利用した分光法を赤外分光法と呼ぶ。分子が赤外線を吸収する機構は,赤外線の振動電場と分子振動との相互作用であり、振動によって分子の双極子モーメントが変化する時のみ遷移が生じる。このような赤外吸収は、はとんどの分子において起こるために、赤外分光によって種々の分子の振動の解析を行うことが できる。赤外分光装置は、赤外光を発生する光源部、赤外光を各単色光成分に分光する分光部、分子を透過した光を検出する検出部などから構成されている。この分光部においては、干渉分光計が用いられている。通常、黒体輻射に近いスペクトル分布を持つ炭化ケイ素を焼結したグローバ光源などから放出された赤外光を干渉計に入射し、その出力の千渉縞(インタフェログラム)をコンピュータ処理して分光する。干渉縞からスペクトルへの変換にフーリエ変換という数学的操作によって行われるために,フーリエ変換赤外分光(FT-IR)と呼ぶ。ET-IRは,レーザ光を干渉計の制御に使用していプラズマ中にレーザを照射すると, 質量の小さい電子が主に光の電界によって加速度を受けて光を放出する。 これは、電子との弾性散乱であり, 入射レーサ光のエネルギーが電子の静止工ネルギーにく らべて小さい時に起こる。このような散乱光から電子の密度や温度の情報をえる方法をトムソン散乱法という。トムソン散乱法は、電子のエネルギー分布計測に最も信頼性のある方法である。また、散乱計測では、電磁波の進行方向とは異なる方向へ散乱光を観測するので、電子密度、電子温度およびイオン温度の局所値がえられ、空間分布計測が可能となる。
トムソン散乱では、散乱断面積が小さいので大きな出力のレーザが必要となり、ルビーレーザ (波長694.3 nm) などが用いられているが、プラズマの時間変化の測定には、繰り返し周期の早いYAGレーザが用いられる。 低圧のプラズマプロセスにおいては、たとえば、最大出力500mJ, パルス幅10 ns, 最大繰り返し周波数10 HzのパルスYAGレーザの第二高調波 (532nm)を電子サイクロトロン共鳴プラズマ (ECR)中に照射して散乱光を受光した後、ダブルモノクロメータと光電子増倍管あるいはCCDカメラによって検出し、コンピュータ処理することにより、電子密度と電子温度がえられている。これまでに、トムソン散乱法を川いて、ECRプラズマ反応容器中物電「密度および電子温度の半径方向、軸力向分布の定量的な詳細が調べられている。この方法は、プロセスプラズマ源の物理的機構を解明するうえで今後利用されていくことが期待される。


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