半導体用語集

WTO(世界貿易機関)

英語表記:World Trade Organization

 1995年1月1日設立。GATTのウルグアイ・ラウンドにおいて設立が協議、決定された。これにより、GATTの暫定的・変則的な体制が、正式な国際機関にとって代わられた。その精神としては、「自由貿易を通じて世界の資源を効率的に活用し、世界全体の生活水準を向上する」という GATTの思想を引き継いでいるという点で同様のものである。GATT体制が適切な運営組織、ルールを持たなかったこと、開発途上国が技術先進分野の貿易分野に加わってきたことから世界の貿易構造が変化してきたこと、またこれに対応して、米国が二国間取引に走り始めたことから、GATTの限界が見え始め、正式な国際機関への脱皮の気運が高まった結果の誕生であった。WTOのGATTとの違いは、 (1)システム(体制)としての堅牢さが飛躍的に向上したこと、(2)内容としては、従来のものの貿易に加えて、サービス貿易の一般協定が導入されることで、その守備範囲が拡大したこと、の大きく二点ある。
 まず第一のポイントは、GATT25条の「締約国の共同行動」を拡大解釈して運営されていたのに対して、WTOはその運営の設立根拠となる国際条約がある。これにより、すべての調印国が批准することが求められており、そこで出された結果が国内法と矛盾した場合においても、WTO諸協定に合わせる方向で、各国に法改正の義務が生じることとなっている。
 第二のポイントとしては、その守備範囲において、サービス貿易に関する一般協定が結ばれたことにある。これにより特許や著作権などの知的所有権の保護に関して国際標準を設定することなどが可能となり、一挙にその影響範囲が広がった。また同時に、ものの貿易ルールを補完する諸協定が出揃ったことから、これまでGATTの規制から外れていた繊維や農業についても、例外なく扱われることとなった。また、手続きのスピード化という点でもGATTと比較して飛躍的に向上したことも特筆されよう。

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