半導体用語集
MCZ結晶引き上げ装置
英語表記:MCZ crystal growth equipment
MCZ結晶引き上げ装置は、CZ炉の周囲を取り囲むように、マグネットを配置したもので、電磁印加方法によって、横磁界印加CZ法Si単結晶育成装置、カスプ磁界印加CZ法Si単結晶育成装置の3種類がある。マグネットは、リスクに応じた磁気遮蔽を本体内部に施すが、磁気遮蔽材の重量の問題から、ある程度の漏れ磁場が生じる状態で使用せざるおえない。よって、漏れ磁場の強さに応じて、周辺の磁気対策を施す必要がある。漏れ磁場は、電子機器に影響を与える他、周辺に磁性材料が存在するとマグネット自体に力がかかり、損傷する危険がある。また、装置オペレータなどの人体への影響も配置しなければならない。具体的には、引き上げ装置本体のステンレス化や駆動用モータへの配慮、電子管を使ったモニタやカメラなどを極力避けるなど、装置本体への配慮の他に、設置場所周辺の床や壁の中の鉄骨材の太さや材質の配慮や装置の配置間隔など、CZ室設計段階から考慮する必要がある。またマグネットには、常伝導方式と超伝導方式の2種類がある。超電導マグネットには、液体ヘリウムと冷凍機で冷却するタイプと冷凍機のみで冷却するタイプがあり、マグネットとコイルの大きさが大きく、強磁場を発生するものは前者、比較的小型のマグネットには後者のタイプが多い。常伝導と超電導は基本的に作り出す磁界の安定性に違いはなく、印加する磁場強度と経済性(初期投資金額、ランニングコスト、メンテナンス費用)、マグネット本体の重量、ユーティリティ(電力、冷却水)の能力などから、どちらを使用するか判断する場合が多い。なお、人体に与える影響については、様々な意見が提案されており、今後明確化してゆかなければならない事項である。
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