半導体用語集
アルミニウムワイヤ
英語表記:aluminum wire
ウェッジボンディング法に用いられる金属細線。空気中で真球状にボールアップすることが困難であるため,ボールボンディング法では使用されない。
Alワイヤの化学成分はAlにSiを1wt%添加したAl-1%Siワイヤと高純度Alワイヤ(99.99%または 99.999%)の2種類に大別される。
Al-1%Siワイヤは,セラミックパッケージなどに用いられ,線径は30µm前後である。Siを1%添加することで,線材強度を高めることができる。常温において1%のSiはAl中にほとんど固溶しないため,Alの母材中にSiが分布する構造となる。なお,Siの分布状態はインゴットの溶解,鋳造後の溶体化処理によって変化する。溶体化処理が不完全である時は,Si粒子が析出しワイヤの機械的特性やボンディング時の塑性変形量などに悪影響を与える。
AH-1%Si線を使用する分野は,金属やセラミックなどによる気密封止型パッケージであり,樹脂封止型パッケージに用いられることはない。これは,Al-1%Si線自身が脆いこと,ウェッジボンディングでのヒール部が樹脂の応力により破壊しやすいことや,水分などによる腐食が起こりやすいためである。なお,セラミックパッケージやサーディップパッケージなどの気密封止型パッケージでも,シール時の加熱によるワイヤの破断荷重の低下が起こるため特性変化の把握が重要である。Al-1%Si線の溶断電流は,線径30µmで約0.4Aである。
高純度Alワイヤは,大容量トランジスタなどに用いられる。高純度Alワイヤは破断荷重が低いために伸線加エが困難である。4N(99.99%)で使用する線径は50µm前後,5N(99.999%)では使用する線径は 200~300µm前後が主流である。高純度Alワイヤの溶断電流は,線径200µmで約5Aである。
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