半導体用語集

インバータ冷蔵庫

英語表記:inverter refrigerator

 国内においてインバータタイプの冷蔵庫が各社より発売されている。1991年に発売され、注目されたが、割高感もあって市場に受け入れられなかった経緯を持つ。
しかし、地球環境保全目的による特定フロン規制対策から代替フロン(冷却能力が従来比で約10%ダウン、また冷蔵庫は一世帯当たりの電力消費量が21%で最も多い(1997年日本))への切り替えにより、コンプレッサの効率を上げる必要性が出たこと、さらなる省エネを図る必要があることなどから市場に再登場し、電気代の大幅減などのメリットなどから好評をえ、現在に至っている。
しかし、その後代替フロンについても地球温暖化の面で問題があることが判明、問題視され、1997年の地球温暖化防止京都会議において削減対象ガスの一つとしてあげられたことから、現在欧州において利用されているHC(炭化水素)冷媒の利用が考えられている。
HC冷媒の冷却能力やその可燃性から日本国内メーカーは使用冷媒が少なくて良い直冷方式や、構造の変更などが必要となっており、コンプレッサの駆動や効率向上、安全、制御系設計の複雑化からインバータ化、高位マイコンによる制御化が進行すると考えられる。
冷蔵庫の冷却機能の基本要素は、冷却技術、断熱技術、制御技術であり、省エネに対してはインバータ制御技術が重要なファクタとなっている。インバータシステムにより気温、ドア開閉回数などの冷却負荷の変化に対し、最適制御により高効率な運転を行うことができる。
インバータ冷蔵庫はコンプレッサ駆動用として直流モータを利用するものが多い。この駆動にはIGBTモジュールを使用、そのドライバにはフォトカプラやインタフェース用ICを利用する。今後は、IGBTモジュールとドライバ部や保護回路を一つのパッケージにした、IPM(Intelligent Power Module)を使用するケースが増えよう。
冷却吹き出しファンの駆動に専用ICおよびそれらの制御にマイコンを使用している。

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