半導体用語集

インバータ家電・照明

英語表記:inverter home appliance and lighting systems

 家電製品はインバータがブームとなっている。その定義について混乱があり、現在はメイン機能の部分または主たる負荷をインバータ制御するもの以外はその家電機器にインバータと冠することはできなくなった。
 インバータとは、一般的にDC(直流)電力から任意周波数のAC(交流)電力を生成する電力変換装置のことであるが、インバータ家電機器とは主として内部に利用されているモータあるいは主要機能をインバータ駆動化しているタイプのものの総称であり、省エネ、低振動、低ノイズ、高機能化などの特徴を持っている。
 具体的にはエアコンや冷蔵庫のコンプレッサ用モータをインバータ駆動化したインバータエアコンやインバータ冷蔵庫、掃除機や洗濯機のモータをインバータ駆動化したインバータ掃除機、インバータ洗濯機があり、すでに市販されている。
 また、電磁誘導作用によって鍋内部にうず電流を発生させ、そのジュール熱による調理機器、すなわちIH(Induction Heating)機器は前述のモータ駆動とは異なるが、商用周波数電源をいったん直流化し、それを電源としてIGBTなどにより高周波電圧共振のインバータで鍋の下に置かれた誘導加熱コイルを駆動して、鍋にうず電流を発生させるものであり、インバータ家電機器の範疇に入るものとされる。関連機器としてはIH電気釜やジャーポット、電子オーブンレンジなどがある。
 電子レンジについてもその心臓部であるマグネトロンの電源として従来の鉄共振型電源から、商用周波数電源をいったん整流し直流化した後、インバータによって高周波交流電源を作り出し、マグネトロンを駆動するものであり、同じくインバータ家電機器とされている。
 さらに、照明機器においても商用周波数電源をいったん直流に変換し、バイポーラトランジスタ、IGBT、パワーMOSFETなどをスイッチング素子として用いたインバータにより点灯するインバータ照明機器が普及している。ちらつき防止、瞬時点灯、高周波スイッチングによる安定器の小型化、50Hzと60Hzの共用化などのメリットがある。
 インバータ家電機器に使用される半導体としては商用交流電源の直流回路(コンバータ)に一般整流器やサイリスタが、モータのインバータ駆動用としてPWM波形発生や全体システム制御回路に使われるマイコン、出力駆動回路にIGBT、パワーMOSFETやそれらが3相全波接続(主として交流モータ用)あるいはH型のブリッジ接続(主として直流モータ用)されたモジュール、さらにはそれらのドライバ用回路としてフォトカプラやリニアICが利用されている。
 また、これらの回路をすべて内蔵したIPM(Intelligent Power Module)も利用されている。

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