半導体用語集

ウェットエッチング機構

英語表記:wet etching mechanism

ウェットエッチング機構の基本は、 まず(1)反応種が基板表面に拡その溶解した反応生成物が拡散により表面から脱する過程で行われる。その際、(2)において、半導体基板表面には局部的に陰極と陽極ができ、その間に電流が流れ、半導体表面は酸化されて溶解し、陰極では酸化剤が還元される電気化学反応が起こる。したがって、この酸化・還元反応は、電流、つまり電子と正孔の動きを件うので、半導体への小数キャリアの供給も溶解速度に影響し、光照射や電界印加によりエッチングが進行する。それゆえ、結晶方位、導電型、不純物濃度、格子欠陥、表面構造などによっても工ッチングの状態が大きく変わる。この(2)の反応は、その溶解が化学的活性度で決まるなら反応律速であり、エッチング種の表面への拡散と反応生成物の表面からの離脱で決まるなら拡散律速となる。したがって、前者は温度が高いほど反応が進み、後者は溶液を攪拌すると反応種の供給や反応生成物の離脱を促進できる。本項ではフッ酸・硝酸系によるSi エッチング機構について述べ、異方性エッチング機構と抵抗・導電型、および電界依存の選択工ッチングについては別項で述べる。Siをフッ酸・硝酸系によってエッチングする際の反応は,陰極で硝酸が還元されて正孔を生成し、陽極でSiが酸化されてSi02 となり、これはフッ酸と反応して、SiF4やH2SiF6になって溶解する。この系によるSiのエッチングでは通常水や酢酸を導入する。その役割は基本的には希釈であるが、硝酸希釈の方が許容範囲が広く、酢酸(CH3 COOH)中のHN0びのイオン化が抑制され、HN03の直接反応が優先するからと考えられている。この三元系では、フッ酸の濃度が高い場合は、酸化を行う硝酸が少ないためこれが反応律速し、反応性生成物のHN02が消失し難い凹の部分でエッチングが速くなり、表面形状は複雑になり、この領域では、電子濃度、面方位、結晶欠陥、低次の窒素酸化物の触媒などで大 きく影響される。一方、硝酸濃度が高い場合、Si表面の酸化が進行し、逆にフッ酸は低濃度のためSi02の溶解過程が遅く、フッ酸による溶解が反応速度を決め、凸の部分が早くエッチングされて平坦化が進む。この場合は、拡散が律速するので、面方位や導電性に関係なく、攪拌が重要となる。Si化合物の絶縁材料のSi02エッチングは、フッ化水素(HF)溶液とフッ素イオンを含んだ溶液の混液が用いられる。Si02はHFと反応してH2 SiF6を生成して溶解する。その際、HF液から生じたF-とHFが反応してHF2-を生じる。実際、希HF液中にはHF2ーが多く存在し、Si02のエッチング速度はHF2ー濃度に依存し、Fー濃度には依存しない。通常、HFにNI-14Fを1: 7で混ぜた緩衝 HF液(BHF)を用る。NHびび電界依存の選択工ッチングについては別項で述べる。Siをフッ酸・硝酸系によって工ッチングする際の反応は,陰極で硝酸が還元されて正孔を生成し、陽極でSiが酸化されてSi02 となり、これはフッ酸と反応して、SiF4やH2SiF6になって溶解する。この系によるSiのエッチングでは通常水や酢酸を導入する。その役割は基本的には希釈であるが、硝酸希釈の方が許容範囲が広く、酢酸(CH3 COOH)中のHN0びのイオン化が抑制され、HN03の直接反応が優先するからと考えられている。この三元系では、フッ酸の濃度が高い場合は、酸化を行う硝酸が少ないためこれが反応律速し、反応性生成物のHN02が消失し難い凹の部分でエッチングが速くなり、表面形状は複雑になり、この領域では、電子濃度、面方位、結晶欠陥、低次の窒素酸化物の触媒などで大 きく影響される。一方、硝酸濃度が高い場合、Si表面の酸化が進行し、逆にフッ酸は低濃度のためSi02の溶解過程が遅く、フッ酸による溶解が反応速度を決め、凸の部分が早くエッチングされて平坦化が進む。この場合は、拡散が律速するので、面方位や導電性に関係なく、攪拌が重要となる。
Si化合物の絶縁材料のSi02エッチングは、フッ化水素(HF)溶液とフッ素イオンを含んだ溶液の混液が用いられる。Si02はHFと反応してH2
SiF6を生成して溶解する。その際、HF液から生じたF-とHFが反応してHF2-を生じる。実際、希HF液中にはHF2ーが多く存在し、Si02のエッチング速度はHF2ー濃度に依存し、Fー濃度には依存しない。通常、HFにNI-14Fを1: 7で混ぜた緩衝 HF液(BHF)を用いる。NH4Fの導入は、プロセス的にはレジストと SiO2界面への液の浸透やレジストの膨潤を防ぐ役割をする。また、フッ素Fの導入は、プロセス的にはレジストと SiO2界面への液の浸透やレジストの膨潤を防ぐ役割をする。また、フッ素イオンの欠乏も防ぐが、主な役割は (NH4)2SiFイのエッチング反応物を生成し、これを析出したり、錯化することにあり、HFを水で希釈した溶液の効果よりはるかに大きい。最大となる Si02の工ッチング速度では混液のpHは3程度で、NH4Fの導入は液のpHを制御していることになる。今まで述べたSi02膜はSiの熱酸化膜の場合であるが、エッチング速度はエッチャント組成や液温度に依存する他、密度、構造、原子比、純度および電子線やイオン照射などで大きく変わり、後者では一般にェッチング速度は速くなる。
LSIのメルト平坦化や不純物のゲッタリングに重要なPSG (リン添加ガラス)の選択エッチングには、 P(Plinskin)エッチ液を用いる。その組成は、HN03:HF:H20=2: 3: 60であり、PSG中のSi02はHFで除去し、Pは水に溶ける。一方、メルトのためにはフッ酸系の処理で除去されない方が好ましく, PSGはフッ酸系で急速にエッチングされるので、メルト性を失わず、しかもエッチング速度を低下させるためホウ素(B)を添加したBPSGが層間絶縁膜として広く用いられている。
選択酸化 (LOCOS) 素子分離用として用いられるSi3N4膜のエッチングは熱環流H3PO4が用いられ、180℃でのSi3N4とSiO2とSiのエッチング速度は、10nm/分、0~25 nm/分、0.3nm/分である。


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