半導体用語集
エピタキシャルソースガス
英語表記:epitaxial source gas
エピタキシャル成長用に使用される原料ガスのこと。エピタキシャル成長はキャリアガスである水素とともに原料ガスを高温に加熱されたSi基板上に供給し、基板上に目的とする抵抗、厚さの単結晶を成長させる技術である。原料ガスとして、単結晶Si成長用原料ガスとドーピング用ガスがある。ドーピング用ガスはn型ではホスフィン(PH₃)、アルシン(AsH₃)が用いられ、p型ではジボラン(B₂H₆)のみである。ここでは主に成長用ガスについて述べる。産業レベルで使用されている原料ガスは主としてSiCl₄やSiHCI₃であるが、一部SiH₂Cl₂や低温成長可能なモノシラン(SiH₄)も使用されている。このうち、四塩化ケイ素(SiCI₄)、トリクロルシラン(SiHCI₃)は常温では液体なのでバブラという気化器を必要とする。反応は以下に示すようにSiCI₄は水素還元反応、SiH₄は熱分解反応により基板上へSiが析出する。
SiCI₄ + 2H₂ → Si↓ + 4HCI ,
SiH₄ → Si↓ + 2H₂
ジクロルシラン(SiH₂Cl₂)やSiHCl₃はこれらの反応が同時に起こっている。エピタキシャル成長速度の温度依存性は、温度が高いほど成長速度が速くなる表面反応律速領域、温度依存性の小さい拡散律速領域、高温のため気相反応が生ずる均一気相核生成領域に分かれる。ガス種によりこれらの領域は異なるため、最適成長温度は異なる。成長温度はCIを多く含むほど高くなり、通常用いられる成長温度はSiCI₄では1,150~1,250℃、SiH₄では950~1,050℃、SiHCl₃、SiH₂Cl₂ではその中間になる。
エピタキシャルウェハには、適用デバイスにより種々のエピタキシャル膜特性が求められ、かつ求められる特性の重要性もデパイスにより異なるので、それに適した装置、ソースガスが使用される。ディスクリート用エピタキシャルでは、厚膜、高抵抗を必要とする高耐圧パワーMOSデバイスには、高速成長可能で良好な膜質がえられるSiHCl₃、SiCl₄が主に用いられる。また、バリキャップなど、高濃度As基板上に、膜厚・抵抗均一性が高く、かつ深さ方向での不純物分布が精密に制御されたエピタキシャル膜を必要とするデバイスでは、裏面エッチングによるオートドーピング回避のため、Clを含まないSiH₄が使用されている。MOS用エピタキシャルではスリップ、パーティクルフリーな高品質エピタキシャル膜を必要とされ、これらに対してはSiHCl₃が主に用いられる。バイポーラ用エピでは高濃度埋め込み層上にエピタキシャル成長するため、パターンシフト、パターンだれ、オートドーピングなどに対する配慮が必要となる。パターンシフト、パターンだれは高温成長、かつCI原子数が少ないほど小さい。オートドービングは埋め込みドーパント原子によるが、一般にn型では高温成長ほど小さく、p型ではその逆である。そのため、n型/p型埋め込み層を形成した基板にエピタキシャル成長する場合には最適なソースガスの選択が必要となるが、通常はエピタキシャル膜厚によりソースガスを使い分け、厚膜ではSiCI₄、薄膜ではSiH₂Cl₂が使用されている。
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