半導体用語集
オゾン層破壊物質
英語表記:ozone depleting substance
オゾン層を破壊する物質の総称。この物質群には、フロン、ハロン、トリクロロエタン、四塩化炭素、臭化メチルなどがあげられる。
オゾンとは酸素原子3個が結合した分子で、人工的には電気放電などにより空気中の酸素分子から生成されることが知られている。自然界では酸素に紫外線が照射されると生成される。また、大気汚染の著しい都市部ではオキシダントとともにオゾンが発生することがある。成層圏でのオゾン濃度は対流圏にくらべはるかに高く、成層圏下層で、オゾン全量の80%を占めており、これをオゾン層と称している。
これらオゾン層破壊物質は太陽の紫外線により分解され塩素原子や臭素原子などのハロゲン元素を放出する。対流圏で分解される場合は、雨などで地表に降下するためオゾン層まで到達しないが、オゾン層で分解した場合は、これらのハロゲン元素がオゾンを酸素分子に分解する。この反応は1原子当たり数万から10万分子のオゾンを連鎖的に分解するため、多数のオゾン分子が分解され、オゾンホールができると考えられている。オゾン層が減少すると、紫外線を吸収する働きが阻害され、地上に降り注ぐ紫外線の量が増加する。紫外線の増加は動植物に大きな影響を与え、人間では皮膚ガン、白内障、免疫低下が起こり、動植物プランクトンに致命的な打撃を与える他、植物の発育が悪くなり穀物など農業生産の減少が懸念される。
オゾン層を破壊する能力を示す値としてオゾン破壊係数がある。通常、フロンー11を基準の1.0とした相対値で表現される。オゾン層破壊物質中に含まれるハロゲン元素に着目するとオゾン層の破壊はヨウ素>臭素>塩素>フッ素の序列となり、塩素にくらべ臭素は元素当たり約40倍、ヨウ素は約 1,000倍の破壊能力がある。
国際的に協調してオゾン層の保護を図るため1985年に「オゾン層の保護のためのウィーン条約」が、1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択された。その後締結国の会合で内容が改定されている。
第4回モントリオール議定書締結国会合で決められた主な規制対象物質を下記に掲げる。
(1)CFC(フロンの正式名 Chlorofluorocarbonの略称)
•CFC -11、12、113、114、115など15種類
冷媒、洗浄剤、 ドライエッチングガス、スプレーガス、発泡剤、剥離剤に使用。
(2)ハロン
・ハロンー1211、1301、2402 消化剤に使用。
(3)四塩化炭素
溶剤、ドライエッチングガに使用。
(4)1, 1, 1ートリクロロエタン 洗浄剤に使用。
(5)HCFC(代替物質 Hydrochlorofluorocarbonの略称)
•HCFC-22、123、141b、225など34種類
冷媒、洗浄剤、発泡剤に使用。
(6)HBFC(代替ハロン Hydrobromofluorocarbonの略称)
•HBFC-22 B 1など34種類消化剤に使用。
(7)臭化メチル
植物検疫くん蒸剤、土壌改良剤に使用。
日本を含めた先進国の最新の全廃スケジュールでは、ハロンの1994年全廃、CFC、四塩化炭素、1,1,1,ートリクロロエタン、HBFCの1996年全廃、臭化メチルの2005年全廃、HCFCの2020年全廃が設定されている。それ以外の諸国は、全廃時期を10年から20年遅らせたスケジュールが設定されている。
半導体関係では、PR(フォトレジスト)剥離、ドライエッチング、製品・治工具洗浄などに使用していたが、代替化や新技術により1995年には半導体産業全体で廃止(冷媒以外)を完了している。なお、冷媒については、工場空調設備や部材保管用冷蔵庫および信頼性試験装置などの冷却ユニットに一部利用されているが、設備更新などにより代替化が進んでいる。
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