半導体用語集
オーバサンプルA/D変換器
英語表記:over sample A/D converter
入力データのサンプリング周波数より大幅に高い周波数でアナログ信号をデジタル信号に変換することを特徴とするA/D変換器で,通常はデルタシグマ変調器と組み合わせて用いる。
サンプリング周波数が高いので,折り返し雑音防止フィルタは比較的簡単なものですみ,フィルタ特性も緩和できる利点がある。その代わり,A/D変換を行った後,デジタルフィルタを用いて帯域外成分を除去した後,出力データ列を間引くことによりサンプリング周波数を下げる必要があるので,アナログ回路の規模は小さいが,デジタル回路の規模が数万ゲート付加さる。構成は図1のようになる。
通常のA/D変換を用いた時には,量子化雑音電力はナイキスト周波数にほぼ均一に分布し、その電力の総和は分解能を⊿とした時⊿²/12であるため、サンプリング周波数が2倍になるごとに単位周波数当たりの雑音電力は半分になる。したがって,4倍のオーバサンプリングを行えば,1ビット分解能の高いA/D変換器を用いた時と等しい雑音電力密度がえられる。ただし,高調波歪や混変調歪などA/D変換器の非線形効果により生じる雑音は軽減できないので注意が必要である。
デルタシグマ変調器を用いれば,量子化雑音の分布は周波数が高くなるほど大きくなり,S/N比は主として高い周波数での量子化雑音で決まる。高い周波数はA/D変換した後のデジタルフィルタにより除かれるので,通常のA/D変換器を用いた場合よりオーバサンプリングによる効率は高くなる。
このような方式を用いることにより,トリミングしなくても16ビット以上のA/D変換器が集積化できるようになった。
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