半導体用語集

オーバーサンプル型D/A変換器

英語表記:over-sampled D/A converter

 入力データのサンプリング周波数より大幅に高い周波数でデジタル信号をアナログ信号に変換することを特徴とするD/A変換器で,通常はデルタシグマ変調器と組み合わせて用いる。
 アナログ信号をデジタル表現する時,必要なサンプリング周波数は信号成分の中で最も高い周波数の2倍あればよい。このサンプリング周波数の半分はナイキスト周波数と呼ばれる。信号をデジタル処理する時は,なるべくサンプリング周波数が低い方が,演算量が少なくなるので望ましい。しかし,このままD/A変換すると,ナイキスト周波数より高い周波数にナイキスト周波数を周期として折り返された周波数の信号が発生する。この信号はイメージ信号と呼ばれ,D/A変換した後フィルタで除去しなければならない。もし,必要な信号成分がナイキスト周波数よりはるかに低い周波数であれば,次数の低いフィルタで十分となる。また,通常の量子化を行った時の量子化雑音はナイキスト周波数にほぼ一様に分布するので,単位周波数当たりの量子化雑音密度はサンプリング周波数に逆比例して小さくなる利点もある。そこで,図1のように,デジタルフィルタでサンプリング周波数を4倍から8倍程度まで上げ,これをさらに高い周波数にサンプリングし直してからデルタシグマ変調器を用いて,ビット数を1ビットもしくは数ビットに量子化し直す。この変調器を用いると,ここでの量子化雑音は高い周波数に偏って分布する。この雑音はD/A変換した後,イメージ信号と一緒に減衰させることができる。このような方式を用いることにより,トリミングしなくても16ビット以上のD/A変換器が集積化できるようになった。


関連製品

「オーバーサンプル型D/A変換器」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「オーバーサンプル型D/A変換器」に関連する用語が存在しません。




「オーバーサンプル型D/A変換器」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。