半導体用語集

キャプティブメーカー

英語表記:captive maker

 自社内消費を主力とするメーカーを総称して、キャプティブメーカーという。外販を目的とするマーチャントマニュファクチャラとは対極的な位置にある。半導体産業の原点は、キャプティブメーカーであったことは疑う余地のない事実であろう。しかしその後、半導体製造に必要となる開発投資、設備投資の規模が巨額となったことによって、純粋なキャプティブメーカーは存立しにくい状況となったといえる。世界のトップクラスの大手半導体メーカーの多くは、自社内消費のための生産は行っていたとしても、その比率は比較的低い水準に留まっている。米国のIBM社が、大手半導体メーカーでは、少なくともこれまでは最もキャプティブメーカーとしての性格を残した存在であるといえよう。同社は、大型コンピュータからパソコン、ハードディスクドライブなど、周辺装置までを含めたコンピュータ関連分野でトップクラスの製品群を持ってきた。巨大なコングロマリットを形成することによって、初めて社内消費の比率を高い水準に維持してきたわけである。しかし、台湾エイサーとの提携でIBMでさえもその性格を変えつつあるといえよう。
 日本においては、いわゆる半導体メーカー5社はいずれもマーチャントマニュファクチャラと位置づけられる。比較的キャプティブメーカーの性格が強いのは、コンシューマ製品を主力とするエレクトロニクスメーカーである。

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