半導体用語集

コヒーレンス度

英語表記:coherence factor

縮小投影露光装置における照明系レンズの開口数と、投影光学系レンズの開口数の比をコヒーレンス度(σ)という。一般的には、照明系レンズの開口数を小さくしてコヒーレンス度を小さくすると、可干渉性(コヒーレンシ)が増加するが、解像可能なバターンの空間周波数(カットオフ周波数)が減少する。コヒーレンス度を変えることによって,著しく投影光学系の結像性能に影響を及ぼす。使用するマスクの種類や狙いとするパターンの種類によって、それぞれ最童なコヒーレンス度が存在する。たとえば、レベンソン型位相シフトマスクを用いる場合は、コヒーレンス度をできるだけ小さくした方が解像度が高くなる。レベンソン型位相シフトマスクとは、周期的に配列されているマスクの開口部に、位相シフタを一つおきに配置したマスクのことである。つま り、位相シフタのある開口部とシフタのない開口部が交互に配列されている。位相シフタによって位相が反転させられた光と、隣のシフタのない開口部を通過する光が干渉することによって光学像コントラストが高くなり、完全にコヒーレントな場合には通常マスクにくらべて2倍の空間周波数が解像可能となる。可干渉性が低くなると解像可能となる空間周波数は2倍よりも小さくなる。したがって、σを小さくすれば解像度が高くなる。 露光装置の照度や照明均一性を考慮すると、 レベンソン型位相シフトマスクを用いる場合はσ= 0.3~0.4が一般的には適当と考えられている。通常マスクを用いる場合は、一般的にσ= 0.7前後の大きなコヒーレンス度が用いられる。 また, ハーフトーン位相シフトマスクを用いてホールパターンを形成する場合は、 位相シフト効果によりパターンエッジにおける光コントラストを高めるので、可干渉性が高い方がよい。つまり、レベンソン型位相シフトマスクと同様にハーフトーン位相シフトマスクにおいてもσ= 0.3~0.4程度の小σ値が最適である。


関連製品

「コヒーレンス度」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「コヒーレンス度」に関連する用語が存在しません。




「コヒーレンス度」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。