半導体用語集

コンプリメンタリHEMT

英語表記:complementary High Electron Mobility Transistor

 高電子移動度トランジスタ (HEMT)を用いた相補型論理ゲート。SiLSIで通常用いられるCMOSゲートのHEMT版で、n型HEMTとp型HFETから構成される。素子作製法として、n型とp型素子をおのおのイオン注入によって作り分ける方法や、おのおのの素子の層構造を選択的にエピタキシャル成長する方法が研究されている。HEMTのゲート構造には、半導体—金属接合が用いられているため、SiのMOSゲートにくらべて、障壁高さが低く、ゲート扁れ電流が大きい。そのため論理振幅が小さく、待機時の消費電力が大きいという欠点があり、いまだに実用化には至っていない。しかしながら、回路の低消費電力化の要求から、SiCMOSにおいても電源電圧は下がる傾向にあり、論理振幅の欠点は解消されつつある。またさらなる高速化の要求によって、冷却機能を持ったハイエンドサーバなどの開発が予想されるが、動作環境温度が下がるほど、ゲート漏れ電流は減少することになる。したがって、将来的には、コンプリメンタリHEMTに対する期待が再燃する可能性は十分ある。現在、HEMTの微細化技術は、高周波用途で開発が継続されているものの、集積化技術はSiにくらべてはるかに劣っており、今後の課題である。

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