半導体用語集

シリコンファンドリ

英語表記:silicon foundry

 半導体製造工程のうち、ウェハ処理工程(前工程)のみを受託生産するメーカー。TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)、UMC(United Microtechnology Company)などの台湾メーカー、シンガポールのチャータードセミコンダクター(Chartered Semiconductor)が代表的メーカーである。ファンドリメーカーの役割は大別して二つあると考えられる。第一は、大手半導体メーカーのバッファとしての役割である。大手半導体メーカーの従来スタンスは、全工程を自社内で行うことであった。しかし、1980年代後半からそのスタンスを変えつつある。市況変動のリスクを自社で全面的に背負うことを回避する目的で、一定水準の自社生産能力を持ち、その稼働率の維持に努める一方で、一部製品の製造を外部のファンドリメーカーに委託する動きが強まっている。第二は、製造能力を持たない(ファブレス)デザインハウスの生産を代行する機能である。米国を中心に、ファブレスデザインハウスは増加傾向にあり、中長期的にみて、ファンドリメーカーとファブレスデザインハウスとの相互補完関係は強まるものといえよう。こうした点からみて、シリコンファンドリは、半導体産業において分業、すなわち「垂直分化・水平分業」が進む過程で誕生した事業形態であるといえよう。ファンドリによる半導体生産は、市場全体の約10%を占めていると推測され、早晩20%に達すると見込まれる。
 ファンドリメーカーの製造面での特徴は、多品種少量生産に向いた製造ラインを構築している点にある。従来、ファンドリの製造プロセスは、先端技術に対してはやや遅れている点が指摘されたが、最近では、ファンドリに対する最先端プロセスの要求も高まっている。
 ファンドリメーカーの成功を目の当たりにしてきた大手半導体メーカーにおいて、自社の余剰生産能力を用いて、ファンドリ事業を行おうとする動きが活発化している。最先端プロセスで多品種少量生産を進めるファンドリ専業メーカーに対して、古い製造ラインの稼働率を維持しようとする半導体メーカーは、容易には対抗できないといえよう。

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