半導体用語集

ステップカバレッジ

英語表記:Step coverage

幅W 、深さLのトレンチ、ホールに薄膜を形成した際のステップカバレッジは下記の式で予測できる。
ステップカバレッジ





ここで、ηは薄膜を形成する化学種の付着確率である。この式から、アスペクト比5のトレンチに均一に薄膜を形成するためには、付着確率が10-3以下である必要があることがわかる。モノシランの付着確率は基板温度に強く依存するが、通常の多結晶シリコン薄膜形成条件では 10-6~10-5程度である。式(1)から、モノシランによる薄膜形成はアスペクト比が10以上であってもほぼ100%のステップカバレッジを達成可能であることがわかる。一方、シリレンなどのラジカル類の付着確率は0.1~1.0であるため、ラジカル類による成膜はステップカバレッジが非常に悪い。通常のバッチ式LPCVD反応器を用いたプロセスではモノシラン由来の成膜がほば100 %であると考えられ、良好なカバレッジ特性を示す。モノシラン由来の成膜とラジカル類由来の成膜の寄与率は、反応条件だけでなく、装置の形状(特に空間体積と析出表面積の比)に依存し、 これによりステップカバレッジが変化する。また、不純物を導入するためにアルシン、フォスフィンなどのガスを混入させるとモノシラン由来の成膜を阻害するため、これによってもカバレッジが変化する。


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