半導体用語集

スピンドライヤ

英語表記:spin dryer

スピンドライヤは、IPAなどの溶剤を使用せず、ウェハを回転させることによりウェハ表面上の水分を物理的に乾燥させる方法である。スピンドライヤは、ウェハの乾燥のために使用する主たる方法で、single type (ウェハを1枚のみ処理)、single cassette (カセット(キャリア)を1個処理)、multicassette (カセット(キャリア) を複数個一括処理)があり、multi cassetteを除き、それぞれ縦型、横型がある。ここでは、multi cassette型スピンドライヤについて説明を行う。ウェハを装着する円筒型のロータには回転の中心に対して対称にキャリアを配置 (装着)できるクレイドルがある。そのクレイドルを90度回転させて上向きにしている。キャリアを装着した後、ウェハが水平になる位置に倒してから回転させる。ロータは密閉チャンバに装着され、ロータは直接モータかベルトにより駆動される。ロータを高速で回転させるとウェハやウェハカセットに付着している水分が遠心力により飛散するとともに中心部分から、外側に気流が発生する。中心部分に清浄な気体(N2など)を流すことにより、遠心力と気流によるウェハ乾燥が行われる。なお、フォトレジストパターンつきウェハを乾燥させる場合、フォトレジストがIPAに溶解するためスピンドライヤが使用される。
また、キャリアを使用しないキャリアレス型もある。
スピンドライヤの利点・欠点は次のとおり。
〈利点〉
(1)ウェハを回転するだけで、ウェハ上の水分を取り除くことができるため、経済的で効率のよい方法である。
(2)装置構造が簡単、など。
〈欠点〉
(1)グローブやロータから発生するパーティクルがウェハに付着し、ウェハ表面上の清浄度が保てない。
(2)疎水性ウェハの場合、水滴が個々に独立しているため中心部分に水分が残りやすい。また、凹凸部分に水分が引っかかると水分が取れず、結果としてウォータマーク(Siと酸素が反応してできる、斑点状徴小しみ)が残る。
(3) multi cassetteの場合、キャリアを中心に対し対称に配置するが、個々のキャリア(含むウェハ)の重さに違いがあるため(キャリアの重さの違いやウェハ数の違い)、バランスを取るのが非常に難しい。バランスがうまく取れないとウェハが破損する危険がある、など。


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