半導体用語集

セレン化カドミウム

英語表記:CdSe

 結晶構造:主にウルツ鉱構造を取るが,閃亜鉛鉱構造半導体の表面に薄膜成長した場合では閃亜鉛鉱構造を取る。格子定数:a=0.42985nm,c=0.70150nm(ウルツ鉱構造),0.6077nm(閃亜鉛鉱構造)。バンド構造:直接遷移型。エネルギーギャップ:1.829eV(80K),1.751eV(293K)(ウルツ鉱構造),1.841(1.80)eV(LT),1.765(1.69)eV(RT)(閃亜鉛鉱構造)。スピン軌道分裂エネルギー:0.416eV。有効質量:伝導帯mc*/m₀=0.12,重正孔帯mhh*/m₀=0.45(⊥c軸),>1.0(//c軸),軽正孔帯mlh*/m₀=0.145(ウルツ鉱構造),伝導帯mc*/m₀=0.13(0.11),重正孔帯mhh*/m₀=0.45,軽正孔帯mlh*/m₀=0.145(閃亜鉛鉱構造)。ルッティンジャパラメータ:γ₁=4.95,γ₂=1.36,γ₃=1.84(閃亜鉛鉱構造)。比誘電率:ε(0)=10.65(//c),9.70(⊥c),ε∞=6.2(7.02)。励起子束縛エネルギー:15.7meV(A),16.7 meV(B)。フォノンエネルギー:LO=26.3,27meV,TO=23meV。励起子-フォノン結合因子:46meV。変形ポテンシャル:a=-3.664eV,b=-0.8eV。弾性定数(×10¹¹dyne/cm²):c₁₁=7.40,c₁₂=4.52,c₄₄=1.317。融点:1,264℃。
 CdSeは単体としてよりも閃亜鉛鉱構造ZnCdSe混晶のように,発光波長をZnSeの青(~460nm)から青緑(~500nm),緑(~520nm)へと長波長へシフトさせるのに使用される。これまで研究されてきている青緑半導体レーザの場合,GaAs基板への格子整合条件のためZnCdSeは面内圧縮応力を受ける。このため用いられるCd組成は~30%以下に限られる。CdSeはまたCdSと混ぜ合わせた多結晶CdSSe焼結体として,CdS光伝導セルの分光感度を赤色側にシフトさせるのに使用される。しかしCdSeの成分比が多くなると,温度特性が悪くなる。


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