半導体用語集

セレン化亜鉛

英語表記:ZnSe

 結晶構造:閃亜鉛鉱構造。格子定数:0.56687nm。バンド構造:直接遷移型。エネルギーギャップ:2.818eV(10K),2.70eV(293K)。スピン軌道分裂エネルギー:0.43eV。有効質量:伝導帯mc*/m₀=0.147(0.17),重正孔帯mhh*/m₀=0.60(1.44),軽正孔帯mlh*/m₀=0.149。ルッティンジャパラメータ:γ₁=2.45(3.77),γ₂=0.61(1.24),γ₃=1.11(1.67)。比誘電率:ε(0)=9.12(8.1),ε∞=5.75(5.3)。励起子束縛エネルギー:17.35meV。励起子分子エネルギー:3.5meV。励起子-フォノン結合因子:60meV。フォノンエネルギー:LO=31.8(31.4)meV,TO=25.2(25.7)meV。変形ポテンシャル:a=-5.82eV(ac=-4.17eV,av=1.65eV),b=-1.20eV。弾性定数(×10¹¹dyne/cm²):c₁₁=8.59,c₁₂=4.98,c₄₄=4.00。熱伝導率:0.19W/cm・K。熱膨張係数:7.55×10⁻⁶/K(300K)。融点:1,526℃。ZnSeはGaAsと格子不整合が0.27%と比較的小さく,Sを加えてZnS₀.₀₆Se₀.₉₄の混晶にすることによりGaAsに格子整合させることができる。この系を基礎にした青緑半導体レーザは,ZnCdSe/ZnSSe/ZnMgSSeへテロ構造を用いており,GaAsに格子整合したZnMgSSe光閉じ込め層,ZnSSe光導波層および面内圧縮応力を受けたZnCdSe歪量子井戸からなる。半導体レーザの場合,注入キャリアの漏れ電流を防ぐために発光層と閉じ込め層のエネルギーギャップ差は少なくとも0.3eV必要である。今のところ,ZnMgSSeのエネルギーギャップが大きくなるにつれて,p型伝導度制御が困難になるため,利用できる光閉じ込め層のエネルギーギャップが~2.9eV以下に限定される問題が残されている。そのため現状では発光層も2.6eV以下のエネルギーギャップを持ったZnCdSeの採用が必須となっている。一方n型伝導のZnSe基板の研究も進んでおり,PVT法で~30mm径,転位密度~10⁴cm⁻²のZnSe結晶がえられている。電流注入によるZnCdSe層からの発光を基板で光吸収させ,ZnSe基板の自己活性型(SA)発光を利用した白色LEDも試作されており,外部量子効率4%がえられている。


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