半導体用語集
テルル化亜鉛
英語表記:ZnTe
結晶構造:閃亜鉛鉱構造。格子定数:0.61037nm。バンド構造:直接遷移型。エネルギーギャップ:2.3941eV(1.6K),2.28eV(293K)。スピン軌道分裂エネルギー:0.93 eV。有効質量:伝導帯mc*/m₀=0.130(0.16),重正孔帯mhh*/m₀=0.398(0.6,1.27),軽正孔帯mlh*/m₀=0.177(0.154)。ルッティンジャパラメータ:γ₁=3.74,γ₂=1.07,γ₃=1.64。比誘電率:ε(0)=10.10(9.1),ε∞=7.28(6.7)。励起子束縛エネルギー:11.6meV。励起子-フォノン結合因子:30meV。フォノンエネルギー: LO=26.4meV,TO=22.OmeV。変形ポテンシャル:a=-6.62eV(ac=-5.83eV,av=0.79eV),b=-1.26eV。弾性定数(×10¹¹dyne/cm²):c₁₁=7.13,c₁₂=4.07,c₄₄=3.12。熱伝導率:0.18W/cm・K。熱膨張係数:8.3×10⁻⁶/K(RT)。融点:1,293℃。
Ⅱ-Ⅵ族化合物半導体はp型伝導度制御が困難な場合が多いが,ZnTeでは逆にp型伝導が容易にえられ,n型伝導が困難である。MBEにおける窒素プラズマドーピングによって~1×10²⁰cm⁻³の正孔濃度がえられている。またMOVPEにおけるAs,Pのドーピングによっても1~5×10¹⁹cm⁻³の正孔濃度がえられている。
ZnCdSe/ZnSSe/ZnMgSSe青緑半導体レーザでは,p型電極のオーミック接触を改善するためにp-ZnTeが用いられている。ただし,ZnTeはZnSeと格子不整合が大きいため,欠陥の発生しない薄膜ZnTe層とすることが信頼性の向上に重要である。またZnSeとZnTeの価電子帯には~0.7eVのバンド不連続があり,ZnTeからZnSeへ正孔を活性化するために実効的に価電子帯を連続的に接続するZnTe/ZnSe変調周期超格子が採用されている。一方,ZnTe自体も緑色発光を示すことから,ZnTeのpn接合LEDも最近研究されている。このために2インチ径,転位密度~2,000cm⁻²のZnTe基板がVGF法によって作製されている。
関連製品
「テルル化亜鉛」に関連する製品が存在しません。キーワード検索
フリーワードやカテゴリーを指定して検索できます
関連用語
関連特集
「テルル化亜鉛」に関連する用語が存在しません。
「テルル化亜鉛」に関連する特集が存在しません。
会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。