半導体用語集
ディッピング法
英語表記:dipping method
液相エピタキシーの冷却法の一種で、結晶の原料物質の過飽和溶液に基板結晶を浸した後、溶液を冷却し結晶を基板上に析出させた後、引き上げるという手法による成長法である。簡単な成長法であるが、結晶性は比較的よくまた用いる溶液の量が多いことから、成長による溶液の組成変動が少ないことから、精密な膜組成制御に優れているといわれる。しかしこのままでは複雑な構造を持つエピタキシーには、原理上用いられてない。
ディッピング法は工業的に重要な半導体のエピタキシーには、あまり用いられないが、酸化物結晶のエピタキシーには、この改良型が実用化されている。たとえば磁性ガーネット膜の成長に3インチ径のGd₃Ga₅O₁₂基板上をPbO-B₂O₃系溶液に浸し回転しながら冷却し、エピタキシー成長させる。またSiC成長で炭素るつぼ中にSiを溶融した溶液の中に、SiC基板を浸した後引き上げる方法で、6H-SiCエピタキシーを行っている。
参考文献
1) A.H.Bobeck, E.G.Spencer, L.G.van Uitert, S.C.Abrams, R.L.Barns, W.H.Grodkiewicz,
R.C.Sherwood, P.H.Schmidt, D.H.Smith and E. M. Walters :
Appl. Phys. Letters 17,131 (1970)
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