半導体用語集
デジタルPBX
英語表記:digital Private Branch Exchange
PBX(Private Branch Exchange)は、ビルや事務所が自前で保有する構内電話交換機である。
PBXの基本的な役割は、事務所の電話通信費の削減と、効率的な電話利用である。事務所内の内線電話1台1台の使用頻度は比較的少ないので PBXを経由することで、内線3台から6台程度に局線(電話局へ加入する電話線)1本の割合にまとめることができ、基本加入料を削減できる。また内線電話間の通話はPBXで行われるので通話料がかからない。さらに内線電話を組織単位にグループ化して、受けた電話を簡単に他の担当者へ転送したり、多くの電話を効率的に処理する機能やそれを利用するために、各種機能ボタンや表示装置を備えた各社専用デジタル多機能電話機を提供している。
現在のPBXは、デジタルPBXと呼ばれ、内線電話機を収容するライン回路と電話局からの局線や専用線(あわせて外線)を収容するトランク回路(両方でライントランク回路)、音声の交換接続を行う通話路(時分割)スイッチと、これらを汎用のマイクロプロセッサのプログラムによって、PBXの持つ豊富な交換接続機能を実現する制御部からなる。
(1)ライン回路
ライン回路には、アナログ電話機やISDN電話機、デジタル多機能電話機などの内線電話機が接続される。このアナログ電話機を収容するライン回路には以下のようなBORSCHTと呼ばれる機能を持つ、SLIC(Subscriber Line Circuit ; 加入者回路)LSIが使用される。
BORSCHTは、通話電流供給機能(Battery)、過電流・電圧保護機能(Over surge)、呼出音創出機能(Ringer)、ループ電流監視機能(Supervise)、A/D変換機(Codec)、2線4線変換機能 (Hybrid)、異常検出(Test)の機能を表わす。
ISDN電話機やデジタル多機能電話機を収容するライン回路も、基本的にSLIC同様の機能を端末かライン回路に持ち、さらにデジタル通信を行うためにOSIの第ニ・三層のプロトコルをLSI化している。
(2)トランク回路
トランク回路には、アナログ局線やISDN局線が接続され、基本的にこれらの線に接続されるアナログ電話機やISDN端末(電話機やTA)に用いられる局線へのインタフェースLSIとまったく同じ端末用のLSIが使用される。
ISDNなどのデジタルインタフェースには、局の信号にPBXの信号を同期させるためのPLL同期回路や、デジタルデータを中継するためデジタル信号の周波数ゆらぎを吸収するためのエラスティックバッファメモリが用いられる。
(3)通話路(時分割)スイッチ
通話路スイッチは、複数の時分割多重線の直並列変換回路と、通話路メモリ、制御メモリからなるLSIで、制御メモリに制御部プロセッサから読み出し、位置を指定するためのCPUインタフェースを提供している。汎用品LSIで256×256、1,024×1,024などの種類がある。さらに、会議用LSIを使うことによって複数の相手の音声を同時に聞くことが可能となり、会議電話が実現できる(図2参照)。
(4)制御部
昔は、多数のライントランク回路をリアルタイムに監視するため、ビットマップ処理に優れた専用プロセッサが用いられたこともあったが、ライントランクにも小型プロセッサを置きリアルタイム処理を分担したり、プロセッサ能力が飛躍的に向上したため、現在では汎用のマイクロプロセッサが使用されるようになっている。
制御部とラインとランクの間は各社独自インタフェースが使われて一般的には、1つの制御部に対して多数のライントランクを接続するための専用通信LSIやゲートアレーを用いることが多い。
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