半導体用語集
トランスインピテダンス増幅器
英語表記:trans impedance amplifier
光通信用などの高周波増幅器では信号源インピーダンスが高く,寄生容量もある程度大きいため,入力インピーダンスの高い電圧増幅器を用いると,信号入力のところで,カットオフ周波数が決まってしまう。そのため,増幅器自身の入力インピーダンスを下げて,駆動電流に対する電圧出力により特性が規定される。出力電圧/入力電流となるので,単位はΩとなる。このためにトランスインピーダンスと呼はれる。 回路例を図1に示す。第2段の増幅段の相互コンダクタンスを大きくするため,電流を流す必要がある。すると,べース電流も増えるので,この影響をなくすため,初段にエミッタフォロアを設けている第2段の増幅段は利得を調節する目的でエミッタ抵抗が付加され,コレクタ側は増幅トランジスタの電流を増やすために定電流源で電流を注入するとともに,付加抵抗と直列に接続したダイオードにより電圧レベルを高くし,最終段のエミッタフォロアによってインピーダンス変換を行っている。出力段から入力端子へは抵抗によるフィードバックをかけることにより,動作点の安定化と利得の決定を行っている。フィードバック抵抗と並列には位相補償のための容量が接続されている。 MOS回路で実現できることもできるが、ゲート容量が大きくなるため,現状では消費電流はバイポーラ回路にくらべて2倍程度大きくなるのがふつうである。
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