半導体用語集
ドーパント蒸発法
英語表記:dopant evaporation
一般的には、単結晶中のドーパント濃度は、偏析現象によっておおむね決定する。しかし、蒸気圧が高い不純物をドーパントとして使用した場合は、シリコン融液表面からの蒸発の影響が大きく、単結晶中のドーパント濃度の勾配は、偏析による勾配より小さくなる。たとえば、アンチモンの蒸発速度(Zulehner, Huberによる)は、1.3×10-1cm/secとホウ素の8×10-6cm/secより大きく、蒸発の影響が非常に大きい。ドーパント蒸発法は、蒸気圧の高い不純物をドープして単結晶を引き上げる際に、この蒸発効果を有効に利用して、単結晶成長軸方向のドーパント濃度分布を均一化する技術である。近年の単結晶引き上げ装置は、ほとんどが減圧引き上げ装置であることから、具体的には引き上げ時の炉内圧力を調整することで、制御が可能である。また、減圧下におけるアンチモンドーブ引き上げの場合、アンチモン自体の蒸発とともに、酸化物としての蒸発も確認されており、単結晶中の酸素濃度も低下する傾向が見られる。よって、ゲッタを必要とするデバイスにしょうする場合は、抵抗率と酸素濃度の両方に注意を払う必要がある。
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