半導体用語集

ドーピング効果

英語表記:doping effect

 ゲート電極材料である多結晶Si (poly-Si) のエッチング速度や形状は、ドーパントの形と濃度に大きく影響される。塩素系や臭素系ガスを用いたエッチングでは、リン(P) やヒ素(As) をドープしたn型poly-Si は無添加poly-Si にくらべて著しく大きな速度でエッチングされるが、ホウ素 (B) をドープしたp型poly-Si は、無添加poly-Siにくらべエッチングされる速度がいく分小さい。さらに、n型の場合は、シート抵抗が低いほど(ドーパント濃度が高いほど)エッチング速度が大きく、パターン側壁にアンダカットが入りやすい。一方、P型の場合には逆の傾向を示し、シート抵抗が高いほど(ドーパント濃度が低いほど)エッチング速度が大きく、異方性エッチングがえられる。結局、この傾向は伝導帯中の電子濃度の傾向と一致し、エッチング速度は伝導帯中の電子濃度の低下とともに単調に減少することを示し、ClやBr原子とSiとのエッチング反応に伝導帯中の電子が関与することがわかる。同様の傾向は単結晶Siでも認められる。なおフッ素系ガスを用いたエッチングでは、エッチング速度のドーピング依存性は小さく、側壁にアンダカットが入り等方性形状になる。
 このようなドーピング効果はSiの電気的性質の変化に基づく ものであり、ハロゲン原子とドーパント原子との直接的な化学反応によるものではない。メカニズムはいまだ詳細には解明されていないが、Mott-Cabreraによる固体の酸化理論(電界支援モデル)を参考に、以下のように推論されている。F原子は原子半径がSiの原子空隙より小さく、電気陰性度が大きいので、Si表面に吸着したF原子は(ドーピングによらず)比較的容易に負イオンF⁻となってSi結晶中に侵入し、Siと自発的に反応する。一方、ClやBr原子は原子半径が大きく侵入しにくく、また電気陰性度もF原子にくらべて小さいので、無添加やp型ではSiと反応しない。しかし電子が十分にあるn型では、フッ素/Si系と同様に、Si表面に吸着したClやBr原子に電子が移動してCl⁻、Br⁻イオンが形成され、これらが電界支援効果によってSi中に引き込まれて反応し、自発的にエッチングが進む。

関連製品

「ドーピング効果」に関連する製品が存在しません。

関連用語

関連特集

「ドーピング効果」に関連する用語が存在しません。




「ドーピング効果」に関連する特集が存在しません。




会員登録すると会員限定の特集コンテンツにもアクセスできます。