半導体用語集

ニ次元拡散

英語表記:two-dimensional diffusion

LSIを作成する技術の基本は、酸化膜の一部を取り除いてシリコン表面を露出させ、酸化膜がドーパント拡散に対してマスクとなることを利用して、ドーパントの選択拡散を行うことである。拡散温度と時間を与えれば、所定の深さに接合を形成することができる。この時、酸化膜マスク端においては、ドーパントは縦 (深さ) 方向のみならず、横方向へも拡散し、マスク下部へのドーパントの回り込みが生じる。これを二次元拡散あるいは横方向拡散という。表面濃度一定、あるいはドーパント量一定の場合には、二次元拡散の濃度分布を計算することができるが、一般的には数値計算を行う必要がある。ドーパント量S一定の令における、マスク端近傍の濃度分布は

   


で与えられる。ここで、xは縦方向、yは横方向座標である。また、erfは誤差関数である。この場合横方向への拡散は、ガウス分布で与えられる縦方向の不純物原子を拡散源として進行する。横方向への侵入の程度は、条件により異なるが縦方向の拡散深さの約 80 %程度となる。現在、縦方向のドーパント濃度分布はかなり正確に測定することができるが、横方向におけるドーパント濃度の測定は困難であり、ほとんど行われていない。しかし、極微細MOSFETではこの二次元拡散の影響は著しくなり、その正確な評価はきわめて重要となる。


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