半導体用語集
バイアス-温度(B-T)試験
英語表記:Bias-Temperature test
LSIの安定性を評価する方法の一つで,バイアスおよび温度で加速試験を行い,劣化および不安定要因を短時間で検出する方法がバイアス-温度(B-T)試験である。また.LSIの製造時の欠陥に起因する不良品を取り除くスクリーニング方法としても用いられる。
MOSデバイスにおける不安定性は,製造工程中でシリコン基板,ゲート酸化膜などの絶縁膜中に取り込まれる可動イオン,重金属,不純物が原因で生じる。また,酸化膜中のトラップ電荷,固定電荷,界面準位などによりMOSの表面電位が変動するために生じる場合もある。特に.MOSトランジスタでは,高温状態でゲート電極に負バイアスを印加した場合,正の固定電荷密度増加とともに界面準位密度も増加することが知られている。これは,スロートラッピング不安定性と呼ばれ,高温,高電界によりシリコン酸化膜界面でのSi-Si結合の歪やSi-H,Si-OHなどの弱い結合が破壊され,固定電荷や界面準位を形成し特性変動を引き起こす。このような特性変動を評価するためにMOSキャパシタやMOSトランジスタのバイアス-温度試験が用いられる。MOSキャパシタのバイアス-温度試験は,酸化膜中を移動しやすい可動イオンによる不安定性などの評価に用いられ,高周波C-V法にて,ストレス印加前後のフラットバンドシフト量の差を測定することにより可動イオンの有無,電荷量を求めることができる。MOSトランジスタのバイアス-温度試験は,ストレス印加前後のドレイン電流,オフリーク電流, しきい値電圧などのトランジスタ特性値のシフト量を測定することによりデバイスの不安定性を評価することができる。
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