半導体用語集
パッケージの電気特性解析モデル化
英語表記:Package electrical characteristic analysis modeling
半導体パッケージの電気特性解析モデル化とは,パッケージのパラメータ抽出でえられた抵抗などの数値を用いて電気的な等価回路を作成することである。作成された等価回路は,ノイズ解析にSPICE系ツールを使用することが多いため,SPICEモデルとも呼ばれる。
モデル化において注意すべきことは,作成するSPICEモデル中を伝搬する電磁波の波長に対して,SPICEモデル中の抵抗などの要素の電気長を十分に短くし,分布定数的な取り扱いを考慮してSPICEモデリングすることである。このようにパッケージのSPICEモデリングにおいては,伝搬する電磁波の状態に注意することが重要である。たとえば,多層パッケージなどのプレーン状の導体を持つパッケージでは,そのプレーン導体の中にどのように電流が分布するかによって特性(パラメータ)が異なるため,プレーン導体を一つの抵抗やインダクタンスで表現することは困難である。このような場合には,プレーン導体を微小区間に分割してモデル化することもある。
また,半導体パッケージ全体をSPICEモデリングしてノイズ解析をすることは非現実的であるため,図1に示すようなパッケージに搭載されるデバイスのパッド配列の周期性に着目してその部分を取り出し,SPICEモデリングを行うことが一般的である。
システムの高速化が進み.LSI単体ではなくシステム全体での電気的な検討が必要になってきている。そのため,デバイスのI/Oを含むパッケージモデルの標準化の動きが進んでいる。モデルの標準化には,IBIS(I/O Buffer Information Specification)とEIAJ(
Electronic Industries Association of Japan, 日本電子機械工業会)によるIMIC(I/O Interface Model for Integrated Circuit)がある。IBISは,各種メーカーのLSIを同一システム上に搭載した場合のLSI間インタフェースの電気的な特性を検討するために標準化が開始された規格である。IBISにはパッケージだけではなく,デバイスのI/Oやボードなどのモデルの規格も含まれている。また,IMICでは,IBISの問題点(スイッチングノイズ,EMI,デバイスの精度など)を補うことを目的として規格の整備が進んでいる。IBISとは異なり,パッケージやモジュールなどは,SPICE準拠のネット表現で自由度の高いモデリング手法で行われている。
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