半導体用語集
パルス変調プラズマエッチング装置
英語表記:pulse-time-modulated plasma etching equipment
プラズマエッチング中にプラズマを生成するための高周波電界をμ秒オーダでパルス変調(on・off)する, (l)タイムモジュレーションプラズマ法と、基板にイオンを加速するための高周波電界をパルス変調して用いる、(2)パルスバイアス法がある。タイムモジュレーションプラズマ法は、放電off時に電子温度(電子の平均エネルギー)が極端に低下する(緩和時間:数10μs)ことを利用して、プラズマ中のガス解離度を制御できたり、放電が0仕している時間に連続放電では生成されない、負イオンが生成するという特徴がある放電のon時間および0時間を変化させることにより、エッチング種や堆積種のバランスを制御でき、エッチング特性を大幅に向上することができる。さらに、現在、デバイス製造において最も大きな問題となっている電荷蓄積によるゲート酸化膜の破壊(チャージアップダメージ)にも大きな効果がある。チャージアップダメージは基板表面に生成される負電位(イオンシース)が原因で生じるものである。この負電位は電子温度に依存し、タイムモジュレーションプラズマ中では、放電0仕時間中に電子温度が大幅に低下するためチャージアップダメージを軽減できる。さらに、電気陰性度の高いガス (塩素、フッ素系ガス)ではタイムモジュレーションプラズマにおいて0 時間中にエネルギーを失った電子がガスに付着して負イオン化する。このような状態では、電子がほとんどなく正負イオンによりプラズマが構成されており、基板表面には負電位が生成されず、完全にチャージアップダメージを抑制することが可能である。さらにこの時負イオンを基板に導入することで従来反応性が乏しくエッチングが難しかった貴金属などのエッチング速度を大幅に向上することが可能になるという報告もなされている。このようにタイムモジュレーションプラズマは、将来デバイスで大きな問題となる課題を解決できる手法として注目を集め、現在、 世界中の装置メーカーでも実用化を検討している。ごく近い将来には量産への適用が実現されると考えられる。
一方、パルスバイアス法は基板に入射するイオンのエネルギーを時間的に制御するための方法であるエッチング表面では、エッチングと堆積現象が同時に起こっており、イオンエネルギーの制御によりエッチングと堆積のバランスを高精度に制御可能である。特にゲート電極エッチングにおけるエッチング形状の垂直性と下地ゲート酸化膜に対する選択性とを両立させるためにはきわめて有効である。また、チャージアップダメージに対しても基板表面に生じる負電位を平均的に低下させることが可能であり効果はある。このように、プラズマを時間的に制御するパルス変調プラズマを用いることで、プラズマエッチングはより高精度な加工が実現できる。
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