半導体用語集
フォワードプライシング
英語表記:forward pricing
半導体は、量産効果によって急速にコストが低下する。また、それを見越して価格を下げれば、最初は赤字でも価格弾性効果によって需要が増え、さらに量産化が促進されれば、価格下げよりもコストの下がり方が大きくなり、十分な利益を生むことができる。通常、半導体を応用した家電製品においては、値下げ率の2乗で需要は増え、半導体のコストは、累積生産個数が2倍になると30%下がるといわれているように、その効果は大きい。こうして、価格弾性効果や量産効果を織り込んで、積極的な値づけをすることは、フォワードプライシングといわれているが、非常に短期でいえば、日本企業の御家芸ともいわれた「赤字覚悟」でシェア拡大というアンチダンピング法(AD法)に抵触することになる。しかし、ICが誕生した時に、かつてのフェアチャイルドが1個1ドルで売るという、フォワードプライシングを断行していなければ、今日の半導体産業もなかったのも事実だろう。その意味では、半導体産業のダイナミズムは、従来の成熟産業とは大きく異なり、1年ごとの会計的損益で判断するべきではない。1年目赤字でも、せめて一つのシリコンサイクル、あるいは一つのチップの世代においては、黒字化するという考え方を導入することも必要であろう。ただ最近は、 ともすれば、どうみても何年経っても投資が回収できないほど価格が下がりすぎるまでになり、健全な産業発展の在り方を再考することが求められている。
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