半導体用語集

フッ素添加シリコン酸化膜(SiOF膜)

英語表記:fluorine doped Silicon oxide

プラズマCVDや高密度プラズマ CVDによるシリコン酸化膜形成時に、フッ素を含むガスを添加することでえられるSi-F結合を含むシリコン酸化膜。SiOF膜またはFSG膜とも呼ぶ。Si-F結合の増加とともに比誘電率は低減する。耐熱性が高く加工も容易であるため、LSI製造プロセスへの適用が容易であるといった利点を持つ。また、通常のシリコン酸化膜形成に用いられるCVD装置がそのまま使えること、およびCVDであるため膜中のSi-F結合数(フッ素濃度)の制御が容易であるといった利点も持つ。
プラズマCVDの場合は、TEOS-02 系での酸化膜形成時にC2F6ガスを添加することでSiOF膜を形成する。C2F6ガスの流量により、膜中に取り込まれるフッ素量を制御できる。成膜時に、酸化膜の形成と気相中でかい離したFによる酸化膜の工ッチングとが同時に起きるため、フッ素添加により成膜速度の低下と段差被覆性の改善がみられる。SiOFの課題は、吸湿性にある。水分の吸収を遮断した場合は、誘電率はフッ素濃度とともに3.0以下まで低下するが、通常は吸湿のため誘電率の低下は3.5から3.7程度で飽和する。状況を図1に示す。Si-F結合、特にSi-Fn(n= >2)結合は水分との反応性が高く、かつある一定フッ素濃度以上のSiOF膜ではSi-Fn(n=>2)結合の形成が顕著となる。Si-Fn(n= >2)結合は大気より容易に水分を吸収するとともに、誘電率の高い Si-OH結合を膜中に形成するため、図に示すような比誘電率低下の飽和減少が起きる。また、同時の膜中に、メタル配線腐食を引き起こすHFを生成する。実用的な面においては、SiOF膜の誘電率は3.6から3.7程度と考えられる。段差被覆性および吸湿性低減のため、SiOFの成膜には高密度プラズマCVDも多く用いられる。高密度プラズマCVDの場合は、プラズマCVDにくらべ、かい離しにくいガスでも成膜に用いることができる。
このため、SIH4-02系に対しC2F6などを添加することでSiOFを形成可能であるが、吸湿性の低減を目的として Fの原料ガスとして、SiF4やSiH2F2を用いての成膜が検討されている。高密度プラズマ(DVDでは、プラズマ CVDの場合に比較し、吸湿性が低くかつ低比誘電率の膜をえることができる。3.2程度の比誘電率がえられるとの報告がある。 フッ素濃度が高い場合には、プラズマCVDと同様に、水分との反応性が高くなり、膜中にHFが形成され金属配線腐食が起きてしまう。実用的な比誘電率は、3.4から
3.5程度と考えられる。


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