半導体用語集

フッ酸ベーパ

英語表記:hydrofluooric acid vapor

無水フッ酸(HF)ガスを窒素などをキャリアガスとして、ウェハの置かれたプロセスチャンバに供給する。この時同時にプロセスチャンバへ水蒸気、エタノールあるいはイソピルアルコールを供給すると、これらがウェハ表面に凝集し、そこにHFが溶解してウェハ表面のシリコン酸化膜のエッチングが始まる。非常に腐食性の高いガスを用いるのでプロセスチャンバはセラミックやフッ素、あるいは塩素系の樹脂によって構成されている。一度エッチングが始まるとその反応生成物として水が生成されるので、水の供給は必要ではなくなる(4HF+SiO→SiF4+2H20, 6HF+Si02→ H2SiF6+2H2Oなど)。ガスを供給し始めてから、エッチングが開始されるまでの時間をインキュべーションタイムと呼ぶが、これは全圧、水蒸気分圧、フッ酸の分圧、ウェハ温度に大きく依存するので、プロセスの制御性を高めるためにこれらを高精度に制御しなけれはならない。ウェハ表面の自然酸化膜を除去し、ガスの供給を止めた後、ウェハ表面の残留物を除去するためにプロセスチャンバ内を真空排気する。しかしながら表面には多量のフッ素が残留しており、これを除去するために純水リンスを行う。このような意味ではこの方法は完全なドライ洗浄とはいい難い。しかしコンタクトホール底など、微細構造を持つ表面の洗浄への適用が試みられている。また、塩素やオゾンの供給ラインも装置に付与してパーティクル、有機物、金属不純物をこの装置のみで除去し、洗浄工程を完結するという試みもある。


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