半導体用語集

ブランカアレー

英語表記:blanker array

単一電子銃から放出されたビームをアレー配置されたアパーチャでマルチビーム化し、それらのビームをアレー配置されたブランカでon・offできる ようにすることでパターン生成機能を持たせたものが、プランカアレー(アバーチャアレーまたはBBA: Blanking
Aperture Array)である。富士通の安田らによって開発された。最大の特徴は、ブランカアレー配置である。総数1, 024個の開孔を、x方向に50μmピッチで64個、y方向に75μmピッチで16個、y方向の奇数列と偶数列の開孔位置はx方向25μmピッチだけすらして配置する。この開孔サイズはすべて5μm角である。ブランカアレー全体の大きさは3.2×1.2mmである。金めつき法によって各開孔にブランキング電極を形成する。ビーム透過方向の電極厚さは約40μmである。電極には上下方向から配線パターンを接続しておく。1,024個のブランカアレー駆動用プランキングアンプが各配線に接続され、ブランキング電極を個別に駆動する。
この装置のコラム構成は可変成形型の コラムと同じである。ブランカアレーは第二成形アパーチャ位置に配置される。この開孔を通過するビームはプランキング電極に約10Vの電圧が印加されると開孔出口で偏向ブランキングされ、その下に設けられたラウンドアパーチャを通過することができない。このように各ブランキング電圧をon・offすることによって、開孔を通過したビームを個別にon・offすることができる。ブランカアレーからウェハへの縮小率は約1/312であり、ブランカアレー全体はウェハ上で10.24×3.84μmの大きさに転写され、各開孔の転写像サイズ (スポットサイズ) は0.08μm角である。対物レンズ内には、電磁主偏向コイルと静電副偏向電極があり、これらによってマルチビーム全体が偏向される。 また, スティグマトールやダイナミックフォーカス コイルはピーム全体の偏向収差を補正するために用いる。 描画方式はマルチピーム/ラスタ走査/ステージ連続移動である。 ステージ移動で露光できるストライブ幅は2. Ommである。10.24×3.84μmのアパーチャアレー像を副偏向領域内で102.4μm走査し、同時に各スポットをon・offしてパターンを発生させる。x方向に並んだ2列分、すなわち128個のブランカアレーに対するブランキングデータを DRAMから読み出しレジスタにセットする。このレジスタのビット値に応じてブランキングアンプをon・offする。上はブでアバーチャアレー像を走査するとともにプランキングデータを走査方向にシフトさせる。これによってウェハ全面の露光が行える。間題点としては、 1,024本のビームの不均一さや信頼性の違いなどがあげられる。


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