半導体用語集

ベーパフェーズ法

英語表記:Vapor Phase Method

 不活性液体を使用し,これを加熱沸騰することで発生した蒸気の気化潜熱を利用したリフロー方式。
 Western Electric社が1973年に開発したはんだ付けの方法を説明する。ある槽内で不活性液体を加熱沸騰すると,槽内上部に設けられた凝縮用冷却コイルとの間に一定温度の飽和蒸気相が形成される。次に,この飽和蒸気相の中へはんだ付け部材を送り込むと蒸気が製品表面に凝縮し,その時の気化潜熱ではんだ付けされる。
 ベーパフェーズ法で使用される液体はフッ素系不活性液体で,この飽和蒸気温度は使用される液体の沸点と同じ温度になり,たとえば3M社のフロリナートFC-70(フッ素系炭化水素)の場合,沸点温度の215℃が飽和蒸気の温度となる。ベーパフェーズ法の利点は,電子部品や実装基板の大きさ,形状に左右されず均等かつ急速な加熱がえられることと,不活性飽和蒸気中ではんだ付けが行われるので,酸化によるはんだ付け部の劣化が少ないことであるが,反面,使用する液体が高価であり蒸気損失に十分な配慮が必要なこと,装置,液体の管理が重要であること,過熱や連続かつ長期間の作業下では液の熱分解が起こり,有害物質であるパーフロロイソブチレンやフッ化水素の発生があるという欠点がある。装置は,バッチ処理式の縦型とコンベアを通した連続方式の横型(インラインタイプ)の2種類があり,一般的に横型タイプの方が縦型タイプよりも蒸気の損失量が少ない。


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