半導体用語集
ボイド、ボイドフリー
英語表記:void, void free
貼り合わせSOI基板にみられる孤立した未貼り合わせ領域のことをボイドと呼ぶ。ボイドの大きさはμmからmmオーダにわたる場合もあり、クラックやダイシング時の剥離などの問題を引き起こす。孤立した未貼り合わせ領域発生の主原因にはマイクロラフネスと基板表面に吸着したダストがあり、マイクロラフネス制御や貼り合わせ雰囲気の清浄化がポイントである。
Si基板表面は原子レベルでは平坦ではないのに貼り合わせ法でSOI基板を作製してもマイクロラフネスが小さい場合は基板全面で貼りつき、ボイド(空隙)は発生しない。室温で貼り合わせる場合はOH基を介した水素結合で結合するが、基板の微小凹凸に起因した微小ボイドは表面残留水分による水クラスタにより密着されるとのモデルが考えられている。熱処理後は熱分解で水素結合はシロキサン結合に変わる。この時、熱処理温度が高いため酸化膜の粘性流動が起こり微小ボイドは埋められると考えられる。
基板のマイクロラフネスが大きい場合は熱処理後にボイドが顕在化する。X線トポグラフィを用いた評価では、一方の基板のマイクロラフネス(Ra)が0.57nm以上の場合ボイドが発生するとの報告がある。このため、ボイドフリー化にはマイクロラフネスの小さいウェハを用いる必要がある。
また、ボイドは貼り合わせ時に基板表面に存在するダストでも発生する。基板表面にダストがある場合はダストを中心に未貼り合わせ部分(ボイド)が発生する。
Si基板を石英基板やサファイヤ基板と貼り合わせる場合、サファイヤ基板では100℃以上に加熱するとボイドが発生することが報告されている。これは、室温の貼りつけで生じた水素結合の熱分解で過剰な水が発生するがサファイヤ基板は水を吸収しないため、この水が表面の凹凸に起因する微小ボイドに溜ったためと説明されている。石英基板では加熱してもボイドが発生しないのは石英(SiO₂)が過剰な水を吸収したためである。このため、Si基板とサファイヤ基板の貼り合わせでもSi基板表面に薄い酸化膜を形成し、加熱により発生した過剰な水を酸化膜に吸収すればボイドは発生しない。
ボイドに気体や液体が含まれる場合、熱処理でクラックが発生したり、薄膜Si層にデバイスを作成した後のダイシング時に薄膜Si層が基板から剥がれるなどの問題が発生するためボイドは低減する必要がある。ボイドの評価には超音波探傷、赤外顕微鏡、X線トポグラフィが用いられる。
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