半導体用語集

マイクロシャロービット

英語表記:MSP:Micro Shallow Pit

マイクロシャローピットに相当する内容は、日本の国家標準であるJIS H0609に定義されている用語では「シャローピット(shallow pits)」であり、「選択エッチングをした表面で倍率200倍以上の顕微鏡でみられる小さな底の浅いピット。表面の金属不純物汚染などが原因である」と定義されている。また、米国のデジュール規格であるASTM F1049、F1214で定義されている用語は、「shallow etch pits」および「saucer pits」で、定義はJISと同じ内容の「etch pits that are small and shallow in depth under high magnification>200x」である。 半導体産業装置・材料の国際的な業界 団体であるSEMIの標準でも定義は ASTMに準じ、表記は「Shallow pits」であって、マイクロシャローピットという表記・表現は国際、国内とも公式の表記としては正しくないので、以下はシャローピットで統一する。シャッローピットは前述の定義にも あるように,主にシリコンウェハの表面が金属不純物などに汚染されることによって引き起こされる欠陥が、選択性のあるエッチングにより微小な状のピットとなって検出されているものと考えられている。通常、シャローピットは顕微鏡下で直径数μmの浅いディンプルのようにみえ、ある程度以上の密度で発生している場合には目視下でその領域が白濁してざらついたようにみえる。ある程度以上の重金属の汚染はシャローピットよりもむしろOSF(Oxidation induced Stacking Fault)を生成することが多く、シャローピットという形で現われるのは重金属よりもむしろアルミニウムなどの比較的軽い金属の汚染である場合が多いようである。また、OSFやBMDなどの他の欠陥がある場合には、シャローピットの原因となるような汚染はそちらにゲッタリングされてしまい、シャローピットという形では現われないことが多い。重金属汚染が極端に多い場合にはOSFに加えてシャローピットも生じることがあるが、現在商業的に用いられているシリコンウェハでは、それほどまでに重金属汚染が多いものはほとんどない。しかしながら、各種のゲッタリング手法は、歴史的経緯としては当初はシャローピットを回避するために開発され、取り入れられてきたものである。


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