半導体用語集

マスク用メンブレン

英語表記:mask membrane

X線マスクの重要な構成要素で、吸収体パターンを支える薄い支持膜。メンブレンには、X線透過性が高いことの他に、機械的強度が強いこと、可視光透過率が高いこと、X線照射耐性が高いこと、耐薬品性が高いことなどが要求される。X線をよく透過する(線吸収係数が小さい)軽元素材料の窒化シリコン(SiN)、シリコンカーバイド(SiC)やダイヤモンドなどの薄い膜(通常1~2μ m厚)が用いられる。これらの膜のヤング率は、それぞれ160、460、1、050GPaであり、順に強度が強くなる。この値が大きいほど吸収体パターンの応力の影響を受けにくくなり、パターン位置精度の高いX線マスクを作るには有利となる。現在は製造性、膜強度、X線照射耐性などの観点から、主にシリコンカーバイドが使用されており、一部ダイヤモンドが使用されようとしている。膜の形成は、1,000℃程度の温度の LP-CVD (Low Pressure Chemical Vapor Deposition)を用いて行われている。メンブレンは1~2μm程度の薄い膜であるため、弛みのない張った膜にするにはある程度の引っ張り応力に制御する必要がある。2μm膜厚のシリコンカーバイドを2 mm厚のシリコン基板上に形成する場合、100~200MPa程度の引っ張り応力が目安となっている。大きすぎるとシリコン基板を撓ませる原因になる。また、膜形成時のボイドなどに起因する欠陥を取り除くために、膜形成後に研磨されるのが普通である。


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