半導体用語集

ミクスドシグナルテスタ

英語表記:mixed-signal test system

 ミクスドシグナルテスタは,通信用デバイスなど,単ーチップ上にアナログ回路およびデジタル回路が混在するミクスドシグナルデバイスの特性試験を行う事を主目的とする半導体試験装置である。ロジックおよびメモリ特性テストユニットに加えアナログ波形の発生・取り込み・定量的解析ユニットを持つ。
 ミクスドシグナルテスタは被測定デバイスに対し被測定デバイスが取り扱わなければならない入力波形を擬似的に作り出し,出力特性を測定する。この場合,擬似的に作り出される電気的信号波形は論理信号波形だけではなく,制御されたアナログ信号も含まれる。ミクスドシグナルテスタにより測定されるアナログ量は,被測定信号から時間軸上の一定時間で切り出されるデータの定量値による特性であり,絶対値もしくは何らかのリファレンスに対する相対値として規定される。一方,印加するアナログ信号は設定された測定条件で被測定デバイスの回路が動作するよう,他の論理信号同様に擬似的に作成されたものである。
 デバイステスト時,アナログテストユニットはテスタのコントロールプロセッサにコントロールされ,あらかじめプログラミングされたシーケンスに従いテスト動作を行う。アナログ波形取り込みユニットは,被測定デバイスの出力波形取り込みを規定されたタイミングで実行し,定量的特性を特定する。この取り込みタイミングは被測定デバイスの特性により決定され,時間やデバイスの状態などが特性として規定される。また,アナログ波形発生器からの波形印加も,同様に規定されたタイミングで行われる。
 ミクスドシグナルテスタのテスト能カ決定にはアナログ測定ユニットの精度および帯域が重要なファクタとなる。また,ミクスドデバイスの動作上,論理機能テストユニットおよびアナログテストユニット間の同期機能が重要である。
 アナログ測定ユニットは,以前は純粋にアナログ的に組まれた回路で構成されることが多かったが,システムのフレキシビリティをあげるため,コンバータをフロントエンドに用い,アナログ量をデジタル化された離散信号として扱うデジタル信号処理手法が現在では一般的となっている。デジタル信号処理の一般化に伴い,アナログ特性解析のためのグラフィカルなソフトウェアも多種提案・採用されている。なお,広義には,論理回路測定機能を持たないDCテストシステムなどもアナログテスタとしてミクスドシグナルテスタに分類されることがある。


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