半導体用語集
メモリモジュール
英語表記:memory module
複数のメモリを1枚の基板などに実装し,独立して取り扱いができるようにしたもの。
取り扱うメモリ容量の単位が,1チップ(1パッケージ)では小さい場合に,複数個をあらかじめ専用の基板に実装し,これを1単位としたものがメモリモジュールである。DRAMを搭載したものが主流であるが,複数個のフラッシュメモリなどを搭載したカードもメモリモジュールと呼ぶ。
DRAMモジュールの場合,基板上にはDRAMパッケージの他に電源安定用のコンデンサも搭載しているのが普通である。モジュールの外部端子にあたるコネクタ部分の寸法,各ピンの機能などの仕様は統一化(標準化)されており,規格に適合していればメモリ容量やメーカーを自由に選択できる。たとえば,パソコンなどで,セットメーカーは増設に対応する端子(拡張スロット)を用意し,ユーザーは必要なメモリモジュールを拡張スロットにセットすれば,容量を増設して使用できる。
モジュールの代表的なものとして,SIMM(Single In-line Memory Module),DIMM(Dual In-line Memory
Module)がある。SIMMはモジュール基板の表裏面の端子が同一であり,DIMMは表裏面で異なる信号ピンが配置されている。SIMMにくらベDIMMの方が端子の面積が少なくてすむため,現在ではDIMMが主流である。SIMM,DIMMいずれも端子形状と取りつけ部の切り欠き形状がJEDEC(Joint Electron Device Engineering Council,電子デバイス技術委員会)で標準化されている。
モジュールの組立は,通常は高歩留りである。理由は,製品が良品であること,テスト工程を通っているので動作速度があらかじめわかっていること,さらに実装不良時のリペアが可能であること,などのためである。メモリ容量を増やすために,同種の複数のチップを搭載したMCP(Multi Chip Package)と呼ばれるパッケージが近年発表されているが,これらの点ではモジュールの方が有利である。
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